研究課題/領域番号 |
19K05722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
石川 文洋 近畿大学, 薬学部, 講師 (50631553)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非リボソームペプチド合成酵素 / 異性化酵素 / キャリアータンパク質 / 共有結合性異性化酵素阻害剤 / タンパク質間相互作用 / 生合成 / 共有結合型阻害剤 / パンテテインアナログ / ペプチド系天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
NRPS異性化酵素は,担体タンパク質に担持されたL-アミノ酸をD-アミノ酸へ異性化する.そのため,異性化酵素は,L-アミノ酸基質だけでなく,担体タンパク質もタンパク質間相互作用により厳密に認識する.異性化酵素による異性化機構および異性化酵素-担体タンパク質のタンパク質間相互作用はペプチド系天然物の生合成過程において非常に重要であるが,それらに関する知見は限定されている.共有結合型異性化酵素阻害剤を創製することにより,触媒残基の捕捉による異性化機構の解明だけでなく,一時的で弱い相互作用の不可逆的捕捉により,異性化酵素-担体タンパク質相互作用の分子基盤が明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究は, キャリアータンパク質担持型共有結合性異性化酵素阻害剤 (クロスリンク剤) を設計および創製し, 異性化酵素の触媒機構およびキャリアータンパク質認識機構を明らかにすることを目的とした. 本研究では, クロスリンク剤の創製に成功した. また, チロシジン合成酵素TycAをモデルとして、異性化酵素の活性部位変異体を作製した. さらに, 本クロスリンク剤を利用することでGlu882がクロスリンク剤との反応部位であることが明らかとなった. このことから, Glu882が異性化反応においてアミノ酸のα位水素を引き抜く塩基触媒として作用していることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したクロスリンク剤を利用することで, 1) 異性化酵素の触媒残基を捕捉することによる異性化機構の解明, 2) 異性化反応の瞬間を捕捉することにより, 異性化酵素とキャリアータンパク質相互作用の生化学的解析および異性化酵素とキャリアータンパク質複合体構造の結晶構造を解くこと, が可能となりペプチド系天然物の多様性の創出に関わる酵素の機能や構造が分子レベルで明らかになる. それら情報を基に合理的に生合成システムをデザインすることにより, 天然にはないペプチド系化合物の創製など応用に結びつけることができる.
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