研究課題/領域番号 |
19K05743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
寺 正行 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10643512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | グアニン四重鎖 / 核酸化学 / 光反応 / (キーワード1) / ケミカルバイオロジー / 有機合成 |
研究開始時の研究の概要 |
核酸立体構造のひとつグアニン四重鎖(G4)は、その配列モチーフが染色体末端のテロメア、遺伝子プロモーター、mRNAの非翻訳領域に存在し、細胞寿命、転写、翻訳に関わることが示唆されている。しかし、個々のG4を特異的に修飾する方法や選択的に結合するリガンドがなく、G4の生物学的な機能解明が進んでいない。本研究では標的G4を精密に認識し、光照射により可逆的に共有結合を生成する「G4光クロスリンク試薬」を創製する。立体構造が明らかなbcl-2プロモーターG4の選択的捕捉をベンチマークに設定しin silicoスクリーニングによる分子設計を指針として候補化合物の合成を行う。
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研究成果の概要 |
グアニン四重鎖(G4)は核酸の一本鎖領域に形成される高次構造で、遺伝子プロモーター領域に存在し、mRNA産生を抑制する。本研究では、G-カルテットとグルーブを認識するリガンド6OTD-Bpを設計し、評価した。実験により、6OTD-BpがテロメアG4に特異的に結合し、架橋することが確認された。さらに、特定のハイブリッドG4にも選択的に架橋することが示された。この結果は、G4認識においてカルテットとグルーブの両方を標的とすることの重要性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、G-カルテット面とグルーブを同時に認識する二重認識リガンド6OTD-Bpを開発し、G4構造の認識と安定化の新たな戦略を提案したものである。この成果により、特異的なG4構造を標的とすることで、遺伝子発現の制御や新しい抗がん剤の開発に貢献する可能性がある。G4構造に対する理解が深まり、核酸化学および生物医学研究における重要な進展を示している。さらに、G4リガンドの設計が改良され、将来的にはさまざまな疾患の治療法開発にも役立つと期待される。
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