研究課題/領域番号 |
19K05749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石丸 泰寛 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80590207)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | イオンチャネル / カルシウム / 阻害剤 / 就眠運動 / カルシウムチャネル / シロイヌナズナ / マメ科植物 / Ca2+チャネル / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
マメ科植物は,食料,家畜飼料,工業原材料など幅広い用途で利用されており,イネ科植物についで産業上の重要性が高い.マメ科植物は,朝に葉を開き,夜には葉を閉じるという就眠運動を行うが,その意義は明らかになっていない.近年,本研究代表者らは就眠運動のモデル植物であるアメリカネムノキから,就眠運動を制御するK+チャネルとCl-チャネルを見出した.本研究では,K+チャネルとCl-チャネルに加えて,就眠運動のシグナル伝達に必要と考えられるCa2+チャネルを見出し,Ca2+の移行を可視化できる植物を作製して証明する.そして,マメ科植物だけに保存されている就眠運動の意義を問う.
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研究成果の概要 |
就眠運動のモデル植物であるマメ科のアメリカネムノキのFlexor運動細胞を特異的解析した.イオンチャネルを介した就眠運動の制御機構を理解するために,就眠運動の起点となるCa2+チャネルを見出し,その後のシグナル伝達を捉えてなぜ就眠運動が必要なのかを検討した.アメリカネムノキの形質転換を行い,蛍光Ca2+センサーを発現させた植物を用いて,Flexor運動細胞のCa2+チャネルによってCa2+が流入する瞬間とその後の伝播の様子を捉え,植物の就眠運動を可視化はできなかったが,シロイヌナズナのイオンチャネル阻害剤を見出し,その化合物の性能評価を行い,さらにアメリカネムノキへ適用させることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,アメリカネムノキの運動細胞特異的は解析を行い,その中から就眠運動の起点となるイオンチャネルを見出し,輸送活性の詳細な特徴を捉え,シグナル伝達を理解する研究である.就眠運動といった物の動きを分子レベルで捉えることはこれまでになく,非常に独自性の高い研究に位置づけられる.また,歴史的研究課題と位置づけられてきた植物の就眠運動の意義を問うことができる点から,創造性の高い研究である.さらに形質転換のできない植物に対して,阻害剤を利用するアプローチは普遍性が高く有効であり,イオンチャネル阻害剤を見出し生理的役割を理解できたため,論文発表を介して世界的に高く評価された.
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