研究課題/領域番号 |
19K05758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
深尾 陽一朗 立命館大学, 生命科学部, 教授 (80432590)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 亜鉛欠乏 / ペプチド / シロイヌナズナ / 細胞壁 / 受容体 / 亜鉛恒常性維持 / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シロイヌナズナの根において亜鉛欠乏特異的に発現量が上昇するシステインリッチ型の分泌ペプチドに着目し、ペプチドと相互作用する受容体タンパク質の探索と、その機能解析を目的とする。研究対象とするペプチドは、亜鉛欠乏時にmRNAおよびタンパク質発現が上昇し、他のミネラル欠乏には応答しない特徴をもつ。また成熟型ペプチドはシステイン6~8箇所の位置が高度に保存されており、機能未知の7種類のペプチドがファミリーを構成している。そこで、ペプチドの受容体タンパク質を同定することで亜鉛欠乏時のペプチド機能を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究で対象とした5種類のDEFLペプチドは、亜鉛欠乏時に上昇すること、主に根において発現量が多いこと、転写因子bZIP19によって発現制御されることが示された。次にペプチドの変異体は亜鉛欠乏だけではなく様々な培地上で根が長くなる表現型を示した。細胞内局在解析からは、ペプチドが細胞壁に局在する事が示され、また原子間力顕微鏡を用いた解析からは変異体の細胞壁強度が弱まっていることが示された。変異体の根の伸長領域における細胞長が長くなっていることから、当該ペプチドは、細胞壁に局在し、細胞の長さを制御する機能を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究対象としたペプチドは、一般的なプロテオーム解析において同定されるほど発現量が多いが、その機能は全く不明であった。野生型シロイヌナズナは、亜鉛欠乏のような環境下では個体を大きくしても栄養を獲得できないことから、生長を抑制することで必要以上にエネルギー消費しないようにしていると予想される。一方、当該ペプチドのシロイヌナズナ変異体ではその制御が効かず亜鉛欠乏培地でも根がなった。また細胞内局在解析からペプチドが細胞壁に局在していることや、変異体の細胞壁強度が弱くなっていたことから、ペプチドは細胞の長さを制御する機能をもつことが示唆された。
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