研究課題/領域番号 |
19K05783
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
宮崎 淳一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 副主任研究員 (50435848)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 硫酸還元菌 / 深海熱水活動域 / 化学合成微生物 / 嫌気的メタン酸化 / 電気微生物 / 細胞間共生 / 水素酸化硫酸還元菌 / 親海熱水活動域 / 水素酸化化学合成硫酸還元菌 / 異種細胞間電子伝達 / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
異種生物間によって成立する共生は生物機能を飛躍的に獲得する画期的システムであり、地球上の生命の進化を考える上で極めて重要な生命現象の1つである。この共生のスタイルの1つに、エネルギー獲得のための電子を供与する微生物と受容する微生物の間で成立する「異種細胞間電子伝達」がある。本研究は2種の分離培養した化学合成硫酸還元菌から異種細胞間電子伝達による共生の仕組みを明らかにすることを目的とし、新規細胞間共生系を構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、深海熱水活動域から分離培養され、系統学的に嫌気的メタン酸化の一員として機能している硫酸還元菌に近い2種の化学合成水素酸化硫酸還元菌と、既に分離培養されているメタン生成アーキアを人工的に細胞間共生させることによって、嫌気的メタン酸化を誘導させることを目的として行っている。この人工的な細胞間共生により、これまで難培養でかつ細胞倍加速度が極端に遅いため代謝システムがほとんど明らかとなっていない嫌気的メタン酸化のエネルギー代謝システムおよび細胞間共生のシステムを明らかにすることができると期待している。これまでは2種の水素酸化硫酸還元菌のゲノム解析および特性解析を行っており、おおよその菌のもつ代謝システムや性状を明らかにしてきた。そして、引き続き、共生実験を進めていたが、分離培養した水素酸化硫酸還元菌(SRB)と様々なメタン生成アーキアとの共生はなかなか成功していない。そこで並行して電気培養も行う事とした。その結果、本研究のターゲットとする水素酸化硫酸還元菌の1つが水素の代わりに電気を利用して二酸化炭素の固定を行う化学合成を行えることが明らかとなった。そのため、本菌の絶対嫌気性という特徴の難さを克服し、電気による培養を確実に行える方法論を現在は構築しているところである。2, 3年目となる2020および2021年度にCOVID-19の感染拡大の影響や、共生実験がなかなか成功していないこともあって当初考えていた計画からは遅れてはいるものの、電気培養という解決策を見いだすことができたことから目的に沿った研究を進めることができている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2, 3年目となる2020および2021年度にCOVID-19の感染拡大の影響や、共生実験がなかなか成功していないこともあって当初考えていた計画からは遅れてはいるものの、電気培養という解決策を見いだすことができたことから目的に沿った研究を進めることができている。また、引き続き共生を誘導できる新たな硫酸還元菌の探索も行うことで、本研究を継続してできる体制を整えている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在は採取されている硫酸還元菌の特性と電気培養系の構築を主に行っているが、引き続き行う。そして、通常の水素酸化状態と電気培養状態での遺伝子の発現パターンを明らかにするためにトランスクリプトーム解析を行い、どのような応答をし、どうすれば細胞間共生のシステムが構築されるのかを明らかにしていく。
|