研究課題/領域番号 |
19K05786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
今田 千秋 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (90183011)
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研究分担者 |
五十嵐 康弘 富山県立大学, 工学部, 教授 (20285159)
春成 円十朗 富山県立大学, 工学部, 助教 (00750449)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 乳酸菌 / 植物粉末 / 海藻粉末 / 豆乳 / α-グルコシダーゼ阻害活性 / グリコシド型イソフラボン / アグリコン型イソフラボン / スギノリ / αーグルコシダーゼ阻害 / 海洋植物由来乳酸菌 / αグルコシダーゼ阻害活性 / 無調整豆乳 / 乳酸発酵 / 薬草 / 海藻 / 海草 / αアミラーゼ阻害活性 / キサンチンオキシダーゼ阻害 / 海洋性乳酸菌 / 薬草粉末 / 発酵 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
各種薬草粉末を添加した培地を海洋性乳酸菌で乳酸発酵すると, 発酵物に生活習慣病に効果のある様々な生理活性(アミラーゼ阻害活性やキサンチンオキシダーゼ阻害活性)がそれぞれ見られた.これらの活性は,薬草粉末抽出液そのものや薬草無添加の発酵物には全く認められなかったことから,本菌が発酵の過程で薬草成分を代謝変換し,有効物質の化学構造を修飾したことが関係しているのではないかと推定した. 本研究では,各種薬草や海藻粉末を本菌で乳酸発酵し,その発酵物のアミラーゼ阻害やキサンチンオキシダーゼ阻害活性を測定し,発酵物から有効物質の単離・精製を行い,化学構造を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
沖縄県久米島の海藻表面から分離した海洋植物由来乳酸菌を市販の豆乳に各種植物粉末および海藻粉末を添加した培地で静置培養し、培養物についてα-グルコシダーゼ阻害活性を測定した。その結果、粉末無添加では見られない阻害活性がスギノリ粉末を添加することにより新たに出現した。高速液体クロマトグラフィーを用いて本物質を分析したところ、すでに阻害活性が報告されているアグリコン型イソフラボンであるゲニステインとダイゼインが検出されたことから、本菌はスギノリ粉末を添加することにより、豆乳に含まれるグリコシド型のイソフラボンをアグリコン型に変換することにより、阻害活性が出現することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳酸等の腸内細菌による植物成分の代謝変換については報告がある。大豆イソフラボンは腸内細菌の代謝を受けるとエクオールという物質に変換され、イソフラボンよりも強力な女性ホルモン様活性を有する。このエクオールに限らず、様々の植物成分が乳酸菌などの代謝変換を受けることにより生体に作用する機能性物質に変換されることを示唆する。植物成分の機能性評価は細菌代謝産物として評価しなければ、真の機能性を評価できない。本研究は乳酸菌を試験管で培養することにより、腸内での物質の代謝変換反応を再現するという独自性の高い発酵方法で、今後の応用の可能性が高く、機能機物質の生産を視野に入れた基礎研究で新規性と独自性を有する。
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