研究課題/領域番号 |
19K05807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
平野 伸一 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (20392748)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 微生物腐食 / 微生物電気腐食 / 硫酸還元菌 / 細胞外電子移動 / 金属腐食 / 電子 / 電子利用型微生物腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
固体金属から電子を引き抜く微生物が引き起こす金属腐食(EMIC)が、配管など金属設備の深刻な腐食被害に大きく関与していることが示唆されている。しかし、EMICのメカニズムは未解明な部分が多く、対策立案のための情報が不足している。そこで、本研究では腐食速度・形態の異なるEMICを引き起こす硫酸還元菌3種を対象として、それらの腐食過程を電気化学、材料科学、分子生物学分野の解析手法を活用した統合的なアプローチにより比較解析を行う。それにより、EMICの速度・形態を決定づけている因子を明確にし、EMICのメカニズムに関する知見を得る。
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研究成果の概要 |
固体金属から電子を引き抜く微生物が引き起こす金属腐食(EMIC)が、配管など金属設備の深刻な腐食被害に大きく関与していると考えられている。しかし、対策技術開発に必要なEMICのメカニズムは明確になっていない。そこで、本研究ではメカニズム解明に向け、EMICを引き起こす異なる3株の硫酸還元菌について、腐食速度及び形態の評価、電気化学的な腐食過程の解析、固体鉄からの電子を引き抜く腐食反応に寄与する遺伝子の推定を行った。3株のうち最も高いEMIC活性を示した硫酸還元菌株は固体鉄表面でカソード反応を担うことで腐食を促進することに加え、その細胞外電子伝達に関与する膜タンパク質の存在が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既報のEMIC能を有する硫酸還元菌単離株は2株のみであり知見は限定されていた。本研究では独自に取得したEMIC能を持つ3種類の硫酸還元菌について、腐食速度・形態、腐食生成物、電気化学的特性、EMIC反応を担う遺伝子の解析という多面的なアプローチで比較解析を行うことで、新たな腐食形態の発見、腐食速度と電気化学的特性の相関の明確化、固体鉄からの電子引き抜きに関与する遺伝子候補といったEMICのメカニズムに関する新しい知見を得た。 本研究の成果は、EMICのメカニズムに学術的に新しい知見を与えるとともに、社会インフラ (金属配管等) におけるEMIC対策技術やリスク診断技術の開発に繋がる知見と言える。
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