研究課題/領域番号 |
19K05810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊原 さよ子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80292788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 嗅覚受容体 / 異所発現 / GPCR |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚受容体は、嗅覚組織に発現し、匂いを感知するセンサータンパク質としての役割を担うが、近年、その一部は嗅覚組織以外でも発現し、発現組織特有のはたらきを示す可能性が示されている。しかし、それらの受容体が発現組織において実際に感知する分子については不明であり、生理機能の全貌は十分明らかになっていない。 本研究では、嗅覚組織以外でも発現する特定の嗅覚受容体に着目し、生理的リガンドの同定、ノックアウトマウス表現型解析を行うことで、嗅覚組織以外で発現する嗅覚受容体生理機能の包括的理解を目指す。
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研究実績の概要 |
ヒトGタンパク質共役型受容体の約半数を占める嗅覚受容体は、嗅上皮に発現し、匂い受容に不可欠な役割を果たすのみならず、心臓、肺、腎臓、筋肉、といった様々な非嗅覚組織にも発現することが知られている。近年、これら異所発現嗅覚受容体の一部が、発現組織特有の生理機能を担うことが明らかになってきた。しかし、それら異所発現嗅覚受容体が実際に生体内のどのようなシグナルをモニターし、機能を果たすのかについては未解明な点が多い。本研究は、異所発現嗅覚受容体のなかでも、多くの哺乳類で高度に保存され、様々な非嗅覚組織で発現する嗅覚受容体に着目し、その生理的リガンド探索を通じ、受容体が生体のどのようなシグナルを検知して機能しているのかについて明らかにすることを目的としている。 前年度まで生理的リガンド同定にむけて精製をすすめるなか、出発材料として用いる生体組織中の夾雑物によるバックグランド応答が問題となっていた。また、本研究の着目受容体とは異なる嗅覚受容体が、非嗅覚組織において嗅覚受容体とは異なるGタンパク質と共役してはたらくことが報告された。これをうけ、本年度は、バックグランド応答を低減するとともに共役Gタンパク質が異なる場合も応答を検出できるアッセイ系を新たに構築し、精製をすすめた。また、公開メタボロミクスデータから前年度までに得られていた着目嗅覚受容体ノックアウトマウスの表現型と関連するリガンド候補分子の探索を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リガンド探索の際の応答検出に際し、想定していなかった共役Gタンパク質の関与も視野にいれる必要が生じた。これに伴い、新たなアッセイ系の構築を行ったため、当初の計画から進捗が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
新たに構築したアッセイ系を用いてリガンド精製を進めるとともに、メタボロミクスデータから得られた候補物質の検討も進める。
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