研究課題/領域番号 |
19K05812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北島 健 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (80192558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 硫酸化シアル酸 / シアル酸 / 糖鎖 / 逆遺伝学 / メダカ / 酵素 / 硫酸転移酵素 / 遺伝子編集技術 / 硫酸化転移酵素 / 硫酸基転移酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖付加はタンパク質の主要な翻訳後修飾のひとつである。その糖鎖の最末端の糖残基は通常シアル酸が占めており、細胞認識や接着を媒介・制御する機能を担っていることが広く知られている。しかし、そのシアル酸が更に硫酸化やアセチル化修飾される場合があることはあまり知られておらず、その修飾シアル酸の存在意義も明らかにされていない。本研究は、硫酸化に着目して、その生物学的意義の解明を目指す。具体的には、シアル酸硫酸転移酵素の遺伝子の同定、酵素の性質の解明、遺伝子ノックアウト動物の作出を行う。
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研究成果の概要 |
糖鎖付加はタンパク質や脂質の主要な修飾である。その糖鎖の最末端の糖残基は通常シアル酸が占めており、種々の重要な機能を担っている。しかし、そのシアル酸が更に硫酸化やアセチル化修飾される場合があることはあまり知られておらず、その修飾シアル酸の存在意義も明らかにされていない。本研究は、硫酸化に着目して、その生物学的意義の解明を目指した。その結果、シアル酸硫酸転移酵素の遺伝子を世界で始めて同定し、その2種類の酵素の局在、基質特異性を解明した。また、遺伝子ノックアウトメダカを作出し、それらが幼魚において致死となることを見出した。シアル酸の硫酸化が生存に重要な事象であることを初めて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、脊椎動物においてシアル酸の硫酸化が生存に対して根本的に重要であることを明らかにした。このことは、哺乳類では1981年に最初に硫酸化シアル酸の存在が発見されて以来、長期におよぶ生物学の謎であったその謎を解き明かしたことになりその学術的意義は大きい。また、本研究ではシアル酸の硫酸化を触媒する酵素とその遺伝子を同定した。ノックアウト動物の病的な表現型から、この酵素遺伝子の不全が原因となる病気が想定され、その探索や創薬的医療的応用への展開が可能になる点でも社会的意義が大きい。さらに、硫酸化シアル酸の性質解明を通じて、有用物質生産・材料利用などの応用領域に対するインパクトも期待できる。
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