研究課題/領域番号 |
19K05820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
士反 伸和 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (20547880)
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研究分担者 |
肥塚 崇男 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30565106)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タバコ / ペチュニア / ABCD1 / ペルオキシソーム / 輸送体 / ABC transporter / ABC輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の様々な一次・二次代謝物は、オルガネラ間を動きながら、複雑な経路を経て生合成されている。ペルオキシソームも環境応答に関わる多様な代謝生産に関わるが、その膜上の輸送体やその生理機能の知見は少ない。本研究では、虫害応答などのモデル植物であるナス科タバコおよびペチュニアを材料に、ペルオキシソームへの生合成中間体の輸送体として近年に見出されたABC輸送体ABCD1の解析を行う。基質特異性などを含めて、ABCD1を介したペルオキシソーム膜輸送とその生理的役割を解明し、オルガネラ輸送を介した代謝輸送動態と環境適応に関する理解を進めることを目的とする。
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研究成果の概要 |
植物の代謝産物は、オルガネラを動きながら生合成されている。中でもペルオキシソームは、二次代謝産物などの生合成に関わっており、その中間体輸送にABCD1輸送体の関与が示唆されているが、輸送機能や環境応答の知見はほとんどない。 本研究では、ペチュニアとタバコを材料にABCD1の解析を行なった。タバコ培養細胞においてABCD1遺伝子は酵母エキスやジャスモン酸処理で発現が誘導された。タバコ植物体ではどの組織でも一定量の発現が観察された。ペチュニア植物体でもどの組織でも発現が観察されたが、とくに葉と花弁での発現が高い傾向が観察された。これらはナス科植物における二次代謝生産機構に新たな知見を提供した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代謝産物は、化合物の同定や生合成経路に関する多くの先行研究があるが、代謝産物の細胞内での空間制御機構の知見は少ない。本研究では、タバコとペチュニアというアルカロイドやベンゼノイド(香気成分)を生産するナス科植物でのペルオキシソーム輸送体を解析した。ABCD1が香気成分生産部位で比較的に発現が高いことなどを明らかにしており、植物の生産する有用産物の生合成機構の理解に新たな知見を提供した。今後、ABCD1をさらに解明、また活用していくことで、植物の環境適応の理解が進むとともに、より香気成分生産を促進させた植物の分飼育種などにつながると期待される。
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