研究課題/領域番号 |
19K05826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
磯野 直人 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (70378321)
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研究分担者 |
勝崎 裕隆 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (10262990)
三宅 英雄 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (50362364)
梅川 碧里 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60633097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | GH30 / β-グルコシダーゼ / グライコシンターゼ / ゲンチオビオース / β-1,6-グルコシダーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
細菌由来の酵素「β-1,6-グルコシダーゼ」の立体構造と機能の関係を明らかにする。得られた知見を活用して、「β-1,6-グルコシド結合」(抗腫瘍性糖質、有用細菌の増殖を促進するオリゴ糖、苦味を呈するユニークな糖質などに存在する結合)を含む新規糖質や有用希少糖質の合成を試みる。食品・医薬品・化粧品の成分の製造や、糖質および関連酵素の機能解析に役立つ成果を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
Caldicellulosiruptor bescii由来β-1,6-グルコシダーゼ(CbGH30_1)の結晶化条件の最適化を行った。また、同条件において、本酵素の生成物であるグルコースとの複合体の結晶化も行った。X線回折装置を用いて各結晶からの回折強度データを測定した。すでに明らかにされているSalmonella typhimurium由来GH30タンパク質SrfJの構造をモデルとした分子置換法により位相決定を行い、分解能約2オングストロームで構造を決定した。CbGH30_1は他のGH30酵素と同様にTIMバレル構造を持つことが明らかとなった。酵素-生成物複合体において、グルコースはサブサイト-1の位置に結合していると予想された。 ラミナリビオース、α-グルコシルフルオリド、α-グルコース 1-リン酸を基質として、HhGH30Aのグライコシンターゼと、Ochromonas danica由来β-1,3-グルカンホスホリラーゼ(β-1,3-グルカン伸長酵素)の反応を同時に行った。その結果、直鎖β-1,3-グルカンの沈殿(α-グルコース 1-リン酸を基質としたβ-1,3-グルカンホスホリラーゼのみの反応で生じる)は生じず、水溶性の多糖が合成された。生成した多糖をエタノール沈澱で回収し、メチル化分析により構造を解析した。その結果、水溶性多糖はβ-1,6-グルコシド結合による分岐を有するβ-1,3-グルカン(β-1,3-1,6-グルカン)であることが明らかとなった。また、この水溶性多糖のグルコース重合度をサイズ排除HPLCで分析したところ、数平均重合度が35、重量平均重合度が56と計算された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、解析を計画していたHhGH30Aでは構造解析のための良好な結晶が得られず、構造や性質が類似しているCbGH30_1の結晶構造解析に方針を変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
求核触媒残基あるいは酸塩基触媒残基に変異を導入したCbGH30_1と、基質であるゲンチオビオースの複合体の結晶化および構造解析を試みる。また、さらに高精度な構造解析を行うために放射光施設での分析が可能であるか検討する。また、HhGH30Aのグライコシンターゼを利用して、糖質加水分解酵素の活性測定に役立つ基質の合成を試みる。
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