研究課題/領域番号 |
19K05830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
森田 重人 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (20295637)
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研究分担者 |
北島 佐紀人 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (70283653)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 種子 / 発芽 / 休眠 / レドックス調節 / イネ / 種子休眠 / アブシジン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の種子休眠と発芽は、収穫前の穀類種子が穂で発芽する穂発芽の抑制や、作物の生育に影響する農業上重要な問題である。本研究は、イネ種子の休眠・発芽の調節機構を解明するために、新規調節因子の同定・単離を目的とする。 具体的には、休眠・発芽調節に働いているタンパク質であるグルタレドキシンに着目し、これによって調節を受けるタンパク質を同定する。また種子休眠が強くなった新規変異体系統について、遺伝解析と原因遺伝子の同定を行う。 本研究の成果は、イネ科穀類種子の休眠・発芽調節機構を明らかにすると同時に、休眠の弱い酒米品種やコムギ、オオムギの穂発芽抑制に活用できる。
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研究実績の概要 |
植物の種子休眠と発芽は、穀類種子の穂発芽や作物の生育に影響することから、農業上重要な問題である。本研究ではイネ種子の休眠・発芽の調節機構の解明を目的として、令和4年度には以下の実験を行った。 1) OsGRXC2;2の標的タンパク質の探索:イネ種子において発芽抑制に働いているタンパク質であるOsGRXC2;2について、相互作用タンパク質を同定するため共免疫沈降を試みた。令和3年度に作製した抗OsGRXC2;2抗体を用いてイネ種子タンパク質の免疫沈降を試みたが、沈降画分にタンパク質が検出されなかった。この抗体は合成ペプチドを抗原として作製したため免疫沈降には使えない可能性が高いと判断した。そこで大腸菌でOsGRXC2;2組換えタンパク質を発現させ、これを抗原として新たに抗体を作製した。今後、新たに作製した抗体を用いて共免疫沈降を行う。 2) OsGRXC2;2過剰発現系統における休眠性の調査:代表者・森田はこれまでに、OsGRXC2;2過剰発現系統の登熟種子において休眠・発芽抑制に働く植物ホルモンであるアブシジン酸の含量が上昇していることを明らかにしている。このことからOsGRXC2;2が発芽調節だけでなく種子休眠にも関与することが示唆されていたが、これに関する実験的証拠は得られていなかった。そこでこの可能性を検証するため、OsGRXC2;2過剰発現系統の種子休眠性を調査した。過剰発現系統およびコントロール系統からそれぞれ完熟直後の休眠種子を採取し、発芽試験を行ったところ、過剰発現系統では発芽率の低下が見られたことから休眠性が上昇していることが示された。この結果からOsGRXC2;2が登熟種子においてアブシジン酸含量を上昇させることで種子休眠を調節していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
OsGRXC2;2標的タンパク質の探索については、共免疫沈降による相互作用タンパク質の検出を計画していたが、現在共免疫沈降を進行中であり計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初令和4年度が最終年度であったが、進捗状況が遅れていることから1年間の期間延長を行った。令和5年度には引き続き抗OsGRXC2;2抗体を用いたイネ種子タンパク質の共免疫沈降を継続し、質量分析により相互作用タンパク質の同定を行う。 またこれまでに蓄積している研究成果をとりまとめ、論文発表する。
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