研究課題/領域番号 |
19K05831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
藤原 誠 上智大学, 理工学部, 教授 (90332345)
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研究分担者 |
伊藤 竜一 琉球大学, 理学部, 准教授 (50322681)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 色素体 / シロイヌナズナ / 葉緑体分裂 / 葉緑体 |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体に代表される色素体は、植物の生活環を通じて細胞内で分裂増殖し、細胞分裂時に娘細胞に適切に分配されて遺伝する。色素体の分配は、葉肉プロトプラストをモデル系として、多数の色素体のランダムな分配、または色素体の核周辺への集合による能動分配のいずれかによると提唱されてきたが、未だ結論は得られていない。本研究では、非光合成色素体を有する花粉栄養細胞と葉緑体を有する気孔孔辺細胞の発生時に着目して、シロイヌナズナの変異体リソース、生体蛍光観察法、さらに数理解析を活用し、色素体増殖・分配ダイナミクスを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、モデル植物シロイヌナズナを用いて、未だ理解が十分ではない細胞分裂時の色素体増殖・分配に関する知見を得ることを目的とする。 本年度は、気孔幹細胞であるメリステモイドの増殖時の葉緑体分配に着目した。メリステモイドは非対称分裂によって小型のメリステモイド自身と大型の娘細胞を生む。シロイヌナズナではシュート表皮に不等型気孔が形成されるが、その過程ではメリステモイドは分化後3回分裂して1つの孔辺母細胞とそれを囲む3つの表皮細胞を形成する。 昨年度の解析により、核コードFtsZ遺伝子が完全にノックアウトされたftsZ変異体では、孔辺母細胞の時点で葉緑体を欠失した細胞が低頻度生じることが明らかになった。またそれと並行して、FtsZリング形成不全を示すarc12変異体では葉緑体欠失が従来知られていた孔辺細胞のみならず表皮細胞でも起こっていることが新規に観察された。そこで、ftsZ変異体の不等型気孔複合体を対象として各細胞の葉緑体欠失を評価した。その結果、(1)孔辺細胞と表皮細胞の両方で葉緑体を欠失、(2)表皮細胞でのみ葉緑体を欠失、(3)孔辺細胞のみで葉緑体を欠失の3つのパターンが認められた。さらに、CaMV35SプロモーターによりストロマをYFP蛍光標識したftsZ変異体を観察したところ、葉緑体を欠失した細胞には基本的に非光合成色素体が存在することが示された。これらの結果より、重篤な葉緑体分裂阻害が起こると、メリステモイドの増殖時に両娘細胞のそれぞれに葉緑体欠失が起こる可能性があること、また葉緑体が受け継がれなくても最低1個の色素体は娘細胞に分配されることが示された。 一方、研究計画で記載した花粉母細胞の原色素体の電子顕微鏡解析については、昨年度報告したparc6変異体以外で良好な観察像は得られなかった。
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