研究課題/領域番号 |
19K05832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
渡邉 寛人 明治大学, 農学部, 専任教授 (20270895)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | メイラード反応 / コラーゲン / ピリジノリン / RAGE / 破骨細胞 / 糖化反応 / glycation / receptor for AGE / collagen / pyridinoline |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はコラーゲン線維の架橋構造であり、コラーゲン分解にともなって遊離する分子「ピリジノリン」の生理作用と、その受容体として研究代表者らが見出した糖化タンパク質受容体(RAGE)の新たな機能の解明を目的としている。コラーゲンは骨の主要な成分(骨基質)であることから、本研究ではとくに、骨リモデリングに関わる破骨細胞や骨芽細胞に対するピリジノリンの作用を明らかにし、骨基質由来因子とRAGEの相互作用による骨ホメオスタシス制御機構の解明、さらにはその破綻が原因となる疾患発症機構の解明に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
われわれは3-ヒドロキシピリジニウム(3HP)構造をもつ糖化タンパク質(AGE)が受容体RAGEに結合することを見出すとともに、3HP構造を含むコラーゲン架橋ピリジノリンがRAGEの内在性リガンドとして機能しうることを明らかにしている。本研究ではRAGEの病理学的役割をさらに明確なものとするため、3HP構造をもつ新奇AGEの構造・特性の解明を目指した。その結果、ラクトアルデヒドから形成されるリジン修飾構造として新奇AGEがRAGEを介した細胞毒性を発揮することを明らかにした。さらにピリジノリンが破骨細胞分化を抑制することを見出し、RAGEの新たな生理学的役割を示唆する成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではラクトアルデヒドから新奇RAGE結合性AGEが形成されることを見出し、その毒性発現機構の一部を明らかにした。本成果は炎症時や代謝異常で増大するラクトアルデヒドにより糖尿病合併症に類似した疾患が発症しうることを示したものであり、RAGEの病理学的な役割をさらに明確にしたものと考えられる。さらにRAGEの生理的リガンドと考えられるピリジノリンが骨代謝に関与する細胞群に作用しうることを初めて明らかにした。本成果は骨代謝の新たな制御機構の存在を示唆した点で基礎生物学的に意義をもつものと考えられる。
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