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イネXIPによる病原菌抵抗機構の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K05834
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38030:応用生物化学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

大沼 貴之  近畿大学, 農学部, 教授 (60446482)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード植物病原菌 / 阻害タンパク質 / キシラナーゼ / キチナーゼ / イネ / キシラナーゼ阻害タンパク質 / ヘミセルロース分解 / 植物ー微生物間相互作用
研究開始時の研究の概要

細胞外におけるイネの病原菌に対する抵抗方法には、病原菌細胞壁成分である多糖を標的とした分解酵素群の分泌による溶菌(攻めの抵抗性)と、病原菌が生産する植物細胞壁分解酵素群に対する阻害タンパク質の分泌(守りの抵抗性)とがある。守りの抵抗性の強化は優れた耐病性を備えた品種の開発に寄与する。一方阻害タンパク質は植物細胞壁の酵素的分解を阻害することから、微生物酵素を利用したイネの糖化(分解)を減じる一要因となる。本研究は、イネXIPによる病原菌キシラナーゼの阻害機構を明らかにすることにより、このジレンマに抵触しない新たな環境循環型の品種や農薬の開発および栽培法の確立へ寄与することを目指す。

研究成果の概要

イネが植物病原菌の感染から身を守るために分泌する生体防御タンパク質の一つであるキシラナーゼ阻害タンパク質XIP(Xylanase Inhibitor Protien)は、イネの細胞壁を分解する病原菌由来のGH10もしくはGH11キシラナーゼを阻害する活性がある。本研究の遂行により、イネXIPにはGH10もしくはGH11のみを阻害するシングルキシラナーゼインヒビターと、両キシラナーゼを阻害するデュアルキシラナーゼインヒビターがあることがわかった。また、デュアルキシラナーゼインヒビターは、一分子でGH10とGH11キシラナーゼを同時に阻害する機能ももつことがわかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

XIPをターゲットとしたイネの耐病性の強化を行った場合、必然的に高い耐病性と難糖化性(難分解性)という形質を付与することとなる。高い耐病性はコメの収量増大をもたらすメリットがあるものの、難糖化性は生物によるイネ植物体の完全分解をしにくくし、持続可能な循環型農業の確立にとって好ましくないデメリットを与えるものと考えられる。本研究の遂行によって得られた成果は、イネのXIPを用いた生体防御の仕組みを分子レベルの解像度で明らかにしたものであり、耐病性強化一辺倒ではなく、このようなジレンマに抵触しない高い耐病性を備えかつ微生物分解され易い栽培品種の開発に役立てられるものと考えられる。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] イネOsHI-XIPによる植物病菌キシラナーゼの阻害様式2021

    • 著者名/発表者名
      安部朴二郎、尾崎玄忠、竹下大二郎、大沼貴之
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] イネ立枯病菌Rhizopus oryzaeキシラナーゼに対するイネXIPsの阻害活性2020

    • 著者名/発表者名
      大沼 貴之、今岡 駿、三井 圭吾、田中 盾
    • 学会等名
      日本農芸化学会2020年度大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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