研究課題/領域番号 |
19K05835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
平 大輔 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (00569890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エンカプスリン / ナノ粒子 / タンパク質発現系 / 多量体形成 / Encapsulin |
研究開始時の研究の概要 |
エンカプスリンは細菌および古細菌でみられる細胞内構造体であり、タンパク質分子が自己集合して形成されるタンパク質ナノ粒子である。これまでに、ホモ60量体およびホモ180量体が知られており、粒子内部に特異的に別のタンパク質(荷物タンパク質)を内包する性質を有している。エンカプスリンは、そのナノ粒子形成能および特異的なタンパク質の内包性を利用したナノカプセルとしての工学的応用研究も進められているが、未だ研究例および構造生物学的知見が不足している。そこで本研究では、生化学的・構造生物学的研究によってエンカプスリンナノ粒子のタンパク質工学応用への基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
エンカプスリンはタンパク質分子が自己集合して形成されるタンパク質ナノ粒子である。その粒子内部に特異的に別のタンパク質(荷物タンパク質)を内包する性質を有している。本研究では、エンカプスリンナノ粒子の応用を目指して、タンパク質発現系の構築、立体構造解析を進めた。まず、好熱菌Geobacillus kaustophilus由来のエンカプスリン(GkEnc)と外来の荷物タンパク質遺伝子を共発現する大腸菌発現系を構築し、外来の荷物タンパク質を自在に内包可能なGkEncナノ粒子の調製に成功した。さらにこの発現系を用いることで、ある種のリパーゼ等の難発現タンパク質を大腸菌で生産可能となることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルスの外殻を形成するタンパク質などは、数十から数百という多くのタンパク質分子が自己集合して、数十から数百ナノメートルという、非常に大きな構造体を形成する。これらタンパク質構造体は、さまざまなカプセルとして応用可能であり、エンカプスリンについても、国内外で、その性質を利用した工学的応用研究が進められている。本研究では、元来は大腸菌において難発現性であるタンパク質が、GkEncナノ粒子に内包されることで可溶性発現可能となることが明らかとなった。今後さらに研究を進展させることで、エンカプスリンナノ粒子を難発現性タンパク質生産へと応用することが期待できる。
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