研究課題/領域番号 |
19K05836
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
|
研究機関 | 東北大学 (2021) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
尾崎 太郎 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (40709060)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 生合成 / 抗生物質 / 糸状菌 / 酸化酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
糸状菌が生産する生物活性物質のうち、無水マレイン酸型モノマーが多量化した化合物を対象に研究を行う。糸状菌由来の酸無水物多量体は、コレステロール低下作用など有用な生物活性に加え、特異な構造を有する化合物が多い興味深い化合物群である。しかし、生合成に関する知見は限定的であり、多様な骨格がどのように作られるかは明らかにされていない。本研究では、生合成遺伝子の異種発現及び組換え蛋白質による生化学解析を行い、一連の酸無水物多量体の生合成において鍵となる多量化の反応様式の制御に関して知見を得ることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、糸状菌が生産する二次代謝産物のうち無水マレイン酸型モノマーの多量化により生合成される化合物群に着目し、抗真菌活性を示すゾフィエリンをはじめとする糸状菌由来酸無水物多量体の生合成経路を解析した。本研究により、各化合物に特有のユニークな化学構造が共通の骨格を持つモノマーの多量化により構築されることが明らかになった。また、酸化酵素による骨格の酸化や骨格の転位などによりさらに構造が多様化し、生物活性天然物が作られることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、糸状菌が生産する生物活性物質の中でも特にユニークな化学構造を持ち、多くの部分が未解明だった酸無水物多量体の生合成経路を明らかにした点に意義がある。近年、酵素反応や生合成系を利用した物質生産が着目されているが、生合成経路を明らかにし、異種宿主内で生合成経路の再構築にも成功したことから、形質転換体の培養による化合物の持続的な供給が可能になる。また、将来的には経路の改変や再設計などにより、天然物用の構造を持つ新規物質の創製にもつながりうる重要な成果である。
|