研究課題/領域番号 |
19K05837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
榎本 賢 東北大学, 農学研究科, 准教授 (90546342)
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研究分担者 |
米山 裕 東北大学, 農学研究科, 教授 (10220774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ドラッグデリバリー / monensin / S. aureus / 黄色ブドウ球菌 / DDS / ペプチド / 薬剤耐性菌 / 抗菌剤 / ポリエーテル |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は,家畜飼料添加物に最も使用されているポリエーテル系抗生物質の標的部位と作用機構に着目し,「ミサイル化」と「二量化」の2種類の戦略を合わせることで,特異性と抗菌活性が向上した抗菌剤創出に取り組む。まず,病原菌に特異的に結合するペプチドと抗生物質を連結してミサイル化することで特異性を高める。これにより,薬剤耐性菌出現リスクを低減する。さらに,二量化によりポリエーテル系抗生物質のイオノフォアとしての機能を向上させて,少ない使用量でも十分な効果が期待できる抗菌剤を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では,黄色ブドウ球菌に特異的に吸着するペプチドと生理活性天然物(モネンシン)を連結することで薬剤耐性菌発生リスクの低い新規抗菌剤を開発することを目指した。これまでのところ,モネンシンそのものより8倍強力な抗菌活性を持つ誘導体の作製に成功している。一方でペプチド側については、共同研究者との探索により黄色ブドウ球菌に対して高い吸着能を持つペプチド配列を見出した。これらを連結することで高特異的な抗菌剤の創製が可能になると考えている。 また,本コンセプトへの応用を念頭に入れていくつかの天然物の合成研究も実施し,クテドノケトンやロッシノンA等の天然物の全合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬剤耐性菌発生の主要因として抗生物質の過剰使用が挙げられる。抗生物質の使用対象でもっとも多いのはヒトではなく家畜であり,その用途は治療目的のみにとどまらず,健康な家畜の増体を目的とした飼料添加にまで及ぶ。これにより,畜産現場では抗生物質が過剰に使用され,薬剤耐性菌発生の温床になってい る。飼料添加剤としてもっとも汎用される抗生物質の一つがmonensinである。このものを特定の病原菌に特異的に輸送することができれば,他の菌に対する選択圧を下げることができるので,薬剤耐性菌発生リスクの低減が期待できる。本研究成果が薬剤耐性菌出現リスクの低い家畜用新規抗菌剤の開発の一助となることを期待したい。
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