研究課題/領域番号 |
19K05845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
一柳 剛 鳥取大学, 農学部, 教授 (00302240)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リポ多糖 / コア糖鎖 / ワクチン / 立体選択的合成 / 糖鎖ライブラリー / 糖鎖合成 / 化学合成 / グラム陰性菌 / 3-デオキシ-D-マンノオクツロン酸 / L-グリセロ-D-マンノヘプトース / Kdo / Heptose / 糖脂質 / ヒト抗体 / LPS / ライブラリ / 3-デオキシ-D-マンノオクト-2-ウロン酸 / 糖鎖ライブラリ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,グラム陰性菌が産生する複合糖脂質LPS/LOSの構造普遍領域糖鎖(コア糖鎖)の精密化学合成の手法を基盤に,3-デオキシ-D-マンノオクト-2-ウロン酸(Kdo)およびL-グリセローD-マンノヘプトース(Hep)からなる糖鎖ライブラリを作成し,殺菌性抗体産生に必要な最小構造を解明しワクチン開発に向けた基礎構築を目指す。特に①連続分岐構造を有するコアオリゴ糖鎖の化学合成法の確立,②コア糖鎖-磁気粒子コンジュゲートを使用したヒト抗体の選抜,③選抜したヒト抗体の殺菌性の検証とエピトープの解析に焦点を当てて取り組む。
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研究成果の概要 |
髄膜炎や淋病のを引き起こすナイセリア属細菌が産生する複合糖脂質(LOS)の構造普遍領域(コア糖鎖)を標的として,化学的手法により隣接位で連続分岐した高炭素糖で構成されるオリゴ糖の立体選択的合成方法を確立し髄膜炎菌LOSのコア七糖の合成を達成した.この方法論を用いてコア糖鎖ライブラリー,およびヘモフィルス属LPSの部分コア糖鎖ライブラリーを作成した.さらに合成糖鎖と磁気粒子のコンジュゲート,脂質とのコンジュゲートを作成し,バイオプローブの合成方法を確立した.このうち合成糖鎖で修飾した糖鎖磁気粒子を用いて,市販のヒト抗体IgG, IgMに糖鎖ヒト抗体が存在することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,髄膜炎菌や淋菌が産生する複合糖質の糖鎖を単一構造として得る化学合成方法を確立した.さらに合成した糖鎖を認識するヒト抗体の存在を確認した.この成果は髄膜炎や淋病に対する感染予防ワクチン開発に貢献することが可能であるだけでなく,他の病原性グラム陰性菌の感染予防ワクチン開発にも応用が可能である.また合成した糖脂質は,自然免疫における糖鎖の機能解明に貢献が可能である.
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