研究課題/領域番号 |
19K05847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安部 真人 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (30543425)
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研究分担者 |
河崎 悠也 九州大学, 先導物質化学研究所, 学術研究員 (00781999)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | カルジオリピン / ミトコンドリア / アポトーシス / 脂質過酸化物 / リン脂質 / シトクロムc / 過酸化脂質 / 化学合成 / 過酸化物 / シトクロムc / チトクロムc |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ミトコンドリアでの活性酸素種(ROS)によるリン脂質カルジオリピン(CL)を介したシトクロムc (cyt c)漏出の分子機構解明を目指す。そのために、ROSにより産生される各種の過酸化CLおよびその二次酸化生成物の網羅的合成と過酸化部位を改変した非天然型の過酸化CLの精密合成を実現する。それらのcyt c との相互作用解析を通じた構造活性相関研究により、本研究の学術的「問い」である、“なぜCLの過酸化がcyt c との複合体を解消させるのか?”を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアを介したATP産生とアポトーシスの双方に関与するリン脂質カルジオリピンは、酸化ストレス条件における過酸化物への誘導に伴ってシトクロムcを遊離する。しかし、カルジオリピンの過酸化反応では、過酸化カルジオリピンが生じると直ちに二次酸化が進行してしまうためにシトクロムcの遊離を主導する成分は未同定である。そこで本研究では、過酸化カルジオリピンの全合成を達成し、シトクロムcとの相互作用解析を実現することを目的とした。これまでに過酸化カルジオリピンの2種類の異性体について選択的な化学合成を完了し、本課題の最難関を打開することに成功した。現在はさらにシトクロムcとの親和性評価を実施中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では前例のない過酸化カルジオリピンの立体選択的な全合成を達成することができた。このことは、他の種々のリン脂質についても応用が可能である。事実、既に過酸化ホスファチジルグリセロールの全合成も達成しており、発展的な共同研究から新たな炎症メディエーターの可能性を見出すことに繋がった。また、本研究の合成手法を基盤技術として、英国UCLとの国際共同研究にも発展しており、機能性脂質の開発も進めている。
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