研究課題/領域番号 |
19K05848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
五十嵐 康弘 富山県立大学, 工学部, 教授 (20285159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 希少放線菌 / 二次代謝物 / 生理活性物質 / 多様性 / 新規化合物 / 二次代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物二次代謝物は抗癌剤や代謝調節剤など多様な医薬品へと実用化され,人類の福祉に多大な貢献を果たしている。しかしStreptomyces属放線菌やPenicillium属糸状菌など主要な生産微生物は,徹底的にスクリーニングされたため新規化合物の発見頻度が低下し,FK506,スタチン系薬剤の開発以降,注目に値する新規医薬品の開発には至っていない。他方,これまでに二次代謝能が全く未知の属種が多数残されている。本研究では,医薬探索に有用な新規骨格化合物の取得と新たな創薬資源の開拓を目的として,二次代謝物の研究報告がなされていない希少放線菌群における二次代謝物の網羅的構造解析を行う。
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研究成果の概要 |
放線菌は抗生物質など医薬品の生産微生物として利用されてきたが、主要な放線菌属からは新規化合物を得ることが困難な状況にある。本研究では二次代謝遺伝子の分布が属により異なると予測し、化合物報告がない放線菌属を調査した。その結果、複数の希少放線菌属(Catellatospora,Krasilnikovia,Pseudosporangium,Allokutzneria)から初めて新規化合物を見出すことに成功した。これにより、化合物報告のない放線菌属がこれまで研究されてきた放線菌属と同等の二次代謝能をもつことが明らかとなり、未研究属が新規化合物探索のための新たな分類群となることを示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
さまざまな抗生物質が放線菌により生産され,これまで70年以上にわたって感染症治療に役立てられてきた。それ以外にも,抗癌剤,抗寄生虫薬,農業用薬剤など多岐にわたる医農薬が放線菌により生産されている。一方で,長期にわたる探索の結果,分離の容易な放線菌からは新規化合物が得にくくなり,新たな探索源の開拓が求められていた。本研究では新薬探索に有用な微生物群の調査を行い、これまで研究されていない放線菌属が優れた物質生産能をもち、多様な新規化合物を生産することを初めて明らかにした。この知見は、今後の微生物からの医農薬探索において役立つものと考えられる。
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