研究課題/領域番号 |
19K05853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
向井 秀仁 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (20251027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クリプタイド / 生体機能物質 / 自然免疫機構 / 好中球 / 肝傷害モデル / エンドトキシン / 炎症 / 活性発現の分子機構 |
研究開始時の研究の概要 |
現在までのmtDAMPsに関する研究と申請者らの研究の結果を総合すると、未だ明らかでないmtDAMPs中の自然免疫応答誘導因子群の多くは、申請者らの同定した一群の新規好中球活性化ペプチド、MCTsである可能性が高いと考えられるようになった。そこで本研究では、MCTsを中心として、mtDAMPsを構成する自然免疫応答誘導因子の詳細な化学構造を分析・決定すること、さらにはそれらが関与する自然免疫機構を解析し、同定した活性化因子の存在意義を解明する。そして、得られた結果をもとに、虚血性疾患やリウマチなど、好中球の組織浸潤をともなう疾病の発症原因の解明と治療法や治療薬の開発に結びつける研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、我々が世界に先駆けて同定した、ミトコンドリアタンパク質に由来する一群の好中球活性化ペプチド、マイトクリプタイド(MCTs)と、自然免疫応答を誘導する因子群として知られているミトコンドリア傷害関連分子パターン(mtDAMPs)の関係を明らかにし、MCTsの様々な炎症性疾患における病態生理学的役割を解明することを目的としている。本研究により、マイトクリプタイド-2(MCT-2)およびマイトクリプタイド-3(MCT-3)に対する受容体を明らかにするとともに、MCT-2およびMCT-3とも、mtDAMPs中に存在すること、それらは実際に自然免疫応答の誘導に関わる可能性が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、我々が世界に先駆けて発見した、ミトコンドリアタンパク質由来の一群の新規好中球活性化ペプチド、「マイトクリプタイド」(MCTs)の生体における役割を解明するため、まずMCTsとmtDAMPsとの関連を検討した。その結果、実際にmtDMPs中にMCT-2およびMCT-3が存在していることが明らかになった。また、LPSにより実験的に誘導した肝傷害モデルにおいて、MCT-2がその増悪および再生、両者に関わる可能性を世界で初めて示すことに成功した。この研究成果は、多臓器不全や虚血傷害といった未だ有効な治療法が確立されていない炎症性疾病の治療に道を開く画期的成果であると考えられる。
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