研究課題/領域番号 |
19K05855
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
福田 隆志 近畿大学, 農学部, 准教授 (30348586)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 抗がん活性物質 / DCD 阻害活性 / 海洋微生物 / 機能性分子 / 天然物 / メラノーマ / 抗がん活性 / 抗がん / 皮膚ガン / 抗がん剤 / ダームシジン |
研究開始時の研究の概要 |
がんの薬剤治療は、長引くにつれ薬剤耐性化したがんを生ずること、さらにそれらを悪性度の高いがんへと変貌させる可能性があることが判明し、新たな問題となっている。申請者は、薬剤耐性に関与するタンパク質dermcidin (DCD) の働きを阻害する化合物 seriniquinone A (SQA) を海洋微生物培養液中より発見し、さらに本化合物が DCD を高生産している悪性度の高い皮膚がんにも強い活性を示すことを突き止めた。本研究では、DCDを標的とした第二の SQAを、海洋微生物から探索する。本研究により、薬剤耐性がんおよび皮膚がんに対し選択性の優れた抗癌剤開発が期待される。
|
研究成果の概要 |
本申請研究では、dermcidin (DCD) を標的とした抗がん活性物質および新規の機能性成分を海洋由来微生物の培養液中より見出すことを目的に行なった。その結果、 3 年間で 3 種 6 成分の新規機能性分子を報告した。この内、DCD 阻害活性物質である seriniquinone (SQ) の構造変換体を利用した新規化合物の作成では、SQ よりも溶解性が向上し、かつメラノーマ選択性が同等もしくは向上した 3 つの化合物の作成に成功した。これらから得られた構造活性相関の知見は、DCD 阻害剤の医薬品としての発展の一助となると期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療における薬剤耐性の問題を解決することは急務である。近年、 抗菌ペプチドである DCD が薬剤耐性に関与していることが報告され注目を浴びているが、その詳細なメカニズムは未だ判っていない。今回 SQ の構造変換体を用いて複数の新規化合物の取得に成功した。これらはいずれもメラノーマ細胞に対して選択的に活性を示したことから、 SQ と同様に DCD を標的にしていると予想される。よって、この未解明な DCD の働きを解明する上で重要な阻害物質を複数取得できたことは、学術的意義が大きい。また、複数の新規物質を見出せたことより、新規機能性物質の探索源として海洋由来微生物の有用性が改めて示された。
|