研究課題/領域番号 |
19K05858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 俊哉 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別嘱託研究員 (00202151)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖鎖プローブ / O-抗原多糖 / Ugi反応 / 細胞分化制御 / エステル配糖体 / N-プロリニル-アミノ糖 / 細胞分化物質 / 長鎖不飽和脂肪酸 / トリクロロアセトイミデート誘導体 / 糖鎖工学 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖生物学の重要性が広く認識されるようになって久しい。その基盤技術の一つを担う糖鎖工学の進展にもめざましいものがあるが、未だ残された課題は多い。例えば、グリコシド結合形成を高度に制御できるような合成反応の確立や、特異な構造の置換基を有する糖鎖ならびに構造多様なアグリコンを含むようなハイブリッド天然物の合成方法論の開発などがそうである。本研究では、異常アミノ酸やアグリコンに不安定な脂肪酸を持つオリゴ糖を構築するための合成方法論の開発を目標とした。さらに、ここで得られた知見を基に、糖鎖コンジュゲートやビオチニル誘導体への展開も行う。
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研究成果の概要 |
生体機能解明に向けた糖鎖プローブの創製を目的として、2種の天然物を標的モデル分子に選び合成研究を行った。まず、病原菌 P. pulmonicola の O-抗原を構成するリピーテングユニット3糖合成のため、Ugi反応を使った新規N-プロリニル-アミノ糖構築法を開発した。また、嫌気性菌C.acetobutylicumの細胞分化制御分子clostrienoseならびにその生合成前駆体の合成を達成し、不安定な天然物の化学構造を確定した。鍵段階は右田・小杉・スティルカップリングによるスキップトリエンユニットの構築であり、本手法は不安定な官能基を多く含む糖鎖プローブの創製にも有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病原菌 P. pulmonicola の O-抗原多糖の合成研究を通じて、特異なアシル基を持つアミノ糖を含む糖鎖プローブの新しい合成法が開発できた。また、嫌気性菌C.acetobutylicumの細胞分化を制御するclostrienoseの全合成を達成し、不安定な官能基を持った糖鎖プローブの創製も可能となるような合成手法を確立することができた。これらの研究成果は、有機合成化学的にも意義のあるものと考えられ、有用な物質生産に関わる合成化学への貢献のみならず、生物化学的にも重要な糖鎖分子をターゲットにしている点から、医療・生化学分野への展開も期待できる
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