研究課題/領域番号 |
19K05860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
比良 徹 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (10396301)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 消化管内分泌系 / GLP-1 / 食事誘導性肥満 / 消化管ホルモン / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
食事誘導性の肥満において、消化管がどのように関わるかはよくわかっていない。本研究課題では、消化管ホルモンの一つであるGlucagon-like peptide-1(GLP-1)に着目している。GLP-1は食後即座に消化管内分泌細胞から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を増強したり、視床下部に働きかけて満腹感をもたらす。申請者は食事誘導性肥満の際にGLP-1の分泌が高まることを見出し、動物、培養細胞を用いてこのメカニズムを明らかにすること目的とする。これにより、GLP-1の分泌や産生をコントロールして肥満や耐糖能異常の予防改善に資する知見を得る。
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研究成果の概要 |
食事誘導性肥満モデルにおいて食事応答性GLP-1分泌が増大することを見出したが、そのメカニズムを明らかにすることを目的とした。遺伝的糖尿病モデルに肥満誘導食を長期間与えてもGLP-1分泌の適応的増大は見られず、このことが病態発症に関与することが示唆された。GLP-1分泌の適応的増大は、小腸下部で生じていること、炭水化物、脂質、タンパク質いずれに対してもGLP-1分泌応答が増大することが示された。小腸粘膜のGLP-1含量、GLP-1産生細胞数に差異はなかったことから、GLP-1分泌の適応的増大はGLP-1産生細胞における栄養素感受性の亢進による可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消化管において栄養素を感知して、消化管ホルモンを分泌することで食後の生理応答をコントロールする消化管内分泌系を理解することは、食事を利用して生体応答をコントロールできる技術開発に資する。また、病態における消化管内分泌系の関与を理解し、その分子メカニズムを知ることは、病態の予防、改善に貢献できる。本研究では血糖値や食欲をコントロールする消化管モルモンであるGLP-1の分泌機構の食環境への適応機構の一端を明らかにすることで、学術的・社会的貢献を目指した。
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