研究課題/領域番号 |
19K05861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
橋本 啓 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10237935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ダイコン / β-グルクロニダーゼ / 大根 / シナピン酸 / 加熱処理 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌の産生するβ-グルクロニダーゼ (β-GUD) の活性を阻害することにより、大腸がんのリスクが低下するものと期待されている。そこで、各種野菜抽出物のβ-GUD阻害活性を調べたところ、大根は、加熱処理をすることによりβ-GUD阻害活性を示すようになることを見出した。本研究では、加熱処理により活性化する機能性成分の解明を進める。 平成31年度は、β-GUD阻害物質の単離同定を進める。平成32年度以降は、加熱処理によるβ-GUD阻害物質の生成機構の解明を進める。
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研究成果の概要 |
腸内細菌の産生するβ-グルクロニダーゼ(β-GUD)の阻害は大腸がんの抑制につながるものと期待されている。本研究では、茹でダイコンに含まれるβ-GUD阻害活性成分の解明を進めた。その結果、ダイコンを加熱することにより抑制活性が発現されることを確認し、茹でダイコンメタノール抽出物から活性成分の分離を進め、最終的に逆相HPLCにより、新たに生成された活性成分の一つを単離することができた。その構造を特定することはできなかったが、活性成分はケイ皮酸類が加熱処理により二量体となったものであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ダイコンを茹でることで、生ダイコン中には存在していなかった、大腸がん抑制が期待される成分が生成されることを明らかにしたものである。野菜の摂取の重要性は広く認識されているが、加熱処理により栄養成分が減少してしまう側面が強調されてしまい、加熱処理の有用性については嵩の減少、食感や消化性の向上を除いてはあまり認識されていない。今回、重量野菜として敬遠されがちなダイコンを加熱することで新たな機能性を見出したことで、ダイコンを再評価することができるとともに、栃木県の伝統食品であるしもつかれに新たな価値を付与し食文化維持にも貢献できるものと考えれらる。
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