研究課題/領域番号 |
19K05865
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
宮良 恵美 沖縄大学, 健康栄養学部, 教授 (50457686)
|
研究分担者 |
福島 卓也 琉球大学, 医学部, 教授 (40336160)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | フコイダン / HTLV-1 / 腸管吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)は成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。沖縄・九州は世界最大のHTLV-1感染地域であるが、大都市圏でも感染者は増加しており、全国的なHTLV-1感染対策が重要な課題である。オキナワモズク由来フコイダンにはHTLV-1感染抑制作用があり、臨床試験により感染者体内のプロウイルス量を低下させ、ATL発症の予防が期待される。 本研究では、フコイダンによるHTLV-1感染抑制の作用機構解明と腸管吸収の検討を行う。将来的には、HTLV-1感染抑制作用が科学的に証明された機能性食品の開発を行い、HTLV-1感染・ATL発症予防に貢献することを目指す。
|
研究実績の概要 |
これまでの研究により、モズク由来フコイダンのHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルスI型)感染抑制作用が明らかになったため、本研究はその作用機序の解明を目的としている。前年度に引き続き、「フコイダンがHTLV-1表在タンパク質と結合することにより、HTLV-1がT細胞へ結合・侵入することを阻害しているのではないか」と仮定して、フコイダンとHTLV-1表在タンパク質との結合性を検討する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、共同実験施設への立ち入り制限や、担当する講義へのオンライン授業導入、実験室定員の50%以下まで学生人数を制限してクラスを増設した実習への対応等により、研究の推進が困難であった。 当初の計画を含め、今後検討する検出方法として、次の3つを予定している:①各物質の特異的抗体(HRP標識)を用いたSDS-ポリアクリルアミド(PAGE)-ウエスタンブロット法、②試料であるフコイダンに蛍光標識を行い、各種リンパ球[健常人抹消単核球(PBMC)やST-1(HTLV-1感染細胞株)の混合培養を行って、フコイダンの局在性を蛍光顕微鏡で確認する、③HTLV-1表在タンパク質や細胞側に存在するフコイダン類似物質に対する蛍光標識(フコイダン標識に用いたものとは異なる蛍光)-特異抗体を同時に添加することで、結合する物質の組合せによって異なる色として検出する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施の概要で説明したとおり、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、講義・実習への対応に時間・労力を要し、研究の推進が困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の第一目的である「フコイダンによるHTLV-1感染抑制作用の作用機序解明」については、現在行っているSDS-PAGEウエスタンブロット法に加え、研究実績の概要で記述した蛍光顕微鏡やフローサイトメトリー法等も利用する。 また、第二目的としている「フコイダンの腸管吸収の検討」も実施するために、腸管細胞の培養や吸収に関する受容体・輸送因子の分析方法を導入する予定である。
|