研究課題/領域番号 |
19K05884
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 (2021) 東京理科大学 (2019) |
研究代表者 |
八代 拓也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00726482)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 乳酸菌 / 不飽和脂肪酸 / 免疫抑制 / 自己免疫疾患 / 樹状細胞 / T細胞 / γ-オキソ脂肪酸 / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、多価不飽和脂肪酸の一部は腸内に生息する乳酸菌によって飽和化され、その過程で合成される中間体には生体調節機能があることが明らかになってきた。申請者はこれら中間体の免疫調節機能を解析した結果、γ-オキソ脂肪酸と呼ばれるグループに免疫抑制作用があることを見出した。本研究ではγ-オキソ脂肪酸の応答細胞を同定し、そこから作用機序を解明する。また、アレルギーや自己免疫疾患のモデル動物を用いてγ-オキソ脂肪酸の摂取が症状を改善できるかについて検証することで免疫疾患に対する予防効果を示していく。さらには、ヒトの免疫細胞に対してもγ-オキソ脂肪酸が免疫抑制作用を示すかについて検証する。
|
研究成果の概要 |
腸内に生息する乳酸菌は、独自の経路を介して食事由来の多価不飽和脂肪酸を飽和化し、その過程において宿主の代謝とは異なる中間体を生成する。本研究では、その中間体の中でもエノン脂肪酸と呼ばれる脂質が免疫抑制作用を有することを細胞レベルの実験で見出した。加えて、自己免疫疾患のモデルマウスにエノン脂肪酸を摂取させると病気の発症が抑制されたことから、生体レベルでもエノン脂肪酸の免疫抑制作用を示すことに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生活習慣病予防の観点から脂質の摂取は極力控える方が良いとされてきたが、最近の研究の進展により、脂質の中にも「良い脂質」と「悪い脂質」があることが報告されてきており、一概に忌避すべきものではないとの見方が広がっている。本研究が示したように、不飽和脂肪酸の乳酸菌代謝物には免疫疾患を予防する効果があることから、脂質の摂取とともに乳酸菌を摂取することで「より良い脂質」が腸内で生成されることが明らかとなり、食生活に新たな概念をもたらす研究成果となった。
|