研究課題/領域番号 |
19K05889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
寺沢 洋平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 主任研究員 (10638373)
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研究分担者 |
八田 浩一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, グループ長補佐 (80414811)
川口 謙二 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (40829561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 小麦 / メタボローム / 品質 / メタボローム解析 / パン / QTL / 育種 |
研究開始時の研究の概要 |
小麦品種の製パン適性として実需者が最も重視する特性の1つは、パンの膨らみである。子実タンパク質含有率、品種、栽培方法、製粉方法の違いがパンの膨らみの良し悪しに影響を及ぼすと考えられており、様々な方法でパンの膨らみの改善に向けた研究が行われてきた。これまでに申請者らは、メタボローム解析から品種により特定の代謝化合物が大きく異なること、この代謝化合物が多い品種の粉を用いてパンを焼いた方がパンの比容積が大きくなることを明らかにした。本研究では、この代謝化合物が少ない品種と多い品種の倍加半数体集団を用いてこの代謝化合物に関与するQTLを明らかにすることを目的に研究を行う。
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研究成果の概要 |
小麦粉中のベタインは100g中1%程度含まれており、品種によって含有量が異なる。本研究では、ベタインが多く含まれる「ゆめちから」と少ない「きたほなみ」のDH集団(194系統)を用いて3年間、栽培・収穫・製粉して小麦粉および全粒粉を作成し、高速液体クロマトグラフィーを用いて小麦粉および全粒粉に含まれるベタイン含有量の定量解析を行った。また、DH集団の連鎖地図を作成しQTL解析を行った。その結果、5Bと7Aの染色体に候補のQTLを同定することに成功した。また、製粉性と小麦粉中のベタイン含量が高い相関が見られることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動による小麦品質の不安定化は国産小麦の消費低下を招き自給率の低下に直接繋がってしまう。特に子実タンパク質含有率は気象変動に大きく左右され、品質の不安定化を招く最大の要因とされている。本研究で子実中のベタインがパンの膨らみに大きく関与することが明らかになったと同時に子実中のベタイン含有量を左右するQTLsを明らかにすることができた。この結果から、DNAマーカーでベタイン含有量で簡便に選抜できることにより、製粉・製パン試験をしなくてもパンが膨らむ系統の選抜可能になると考えている。また、子実タンパク質含有率のみでなく子実中のベタイン含有量でも小麦品質の安定化が図れる可能性がある。
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