研究課題/領域番号 |
19K05893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 沙智 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (90633032)
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研究分担者 |
真壁 秀文 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (90313840)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プロシアニジン / T細胞 / サイトカイン / 炎症 / 解糖系 / ガレート / 免疫調節 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞のエネルギー代謝が細胞の機能や分化を調節することが報告され、異常な代謝の状態はがんの発生につながることが知られている。また、生体防御を担うT細胞においても、解糖系が亢進すると、炎症を誘発することが報告されている。 本研究では、PCB2ガレートによる細胞のエネルギー代謝調節を介した炎症制御メカニズムを明らかにする。さらに、マウスの炎症疾患モデルを用いて、PCB2ガレートによる炎症抑制効果を証明する。 本成果は、PCB2ガレートのエネルギー代謝調節を介した免疫機能の制御に対して、細胞レベルでの免疫-代謝システムの新規メカニズムを提唱し、慢性的な炎症疾患の予防法の開発につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、ポリフェノールの1つであるプロシアニジンB2(PCB2)にガレート基を付加した化合物がT細胞の活性化を抑制するメカニズムを明らかにすることを目的とした。PCB2ガレートはT細胞の解糖系を抑制することで、mTOR/HIF-1シグナルを抑制し、炎症性サイトカインであるTNF-αの翻訳を抑制した。さらに、解糖系酵素の一つであるLDHに結合したTNF-αのmRNA量がPCB2ガレートにより増加した。以上のことから、PCB2ガレートはT細胞の解糖系シグナルを阻害することで、TNF-αの翻訳を抑制することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、PCB2ガレートが代謝を制御し、免疫反応を制御することを明らかにした。現在、免疫代謝を制御する食品成分が同定された報告はなく、世界に先駆けて明らかにしたと言える。また、PCB2ガレートはT細胞からのサイトカイン産生を抑制し、炎症を抑制する効果が示されたため、慢性炎症によって引き起こされる免疫関連疾患の予防・軽減効果を持つ可能性がある。将来的に、PCB2ガレートが免疫関連疾患の症状を軽減し、健康長寿をサポートする食品由来成分として実用化されることが期待される。
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