研究課題/領域番号 |
19K05898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
辻本 善之 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (20315930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ホスホリパーゼ / リン脂質 / レシチン / リン脂質改変 / 脂肪酸メチルエステル / リン脂質加工 / ミセル / リポソーム / ホスホリパーゼA1 / ホスホリパーゼA / 機能性レシチン / 機能性リン脂質 / ホスホリパーゼA / リゾレシチン |
研究開始時の研究の概要 |
新規好熱性細菌 Caenibacillus caldisaponilyticus B157T 株が産生する耐熱性ホスホリパーゼA1 の大量調製法の確立を行う。その後、本酵素の温度、pH、有機溶媒、阻害剤、金属イオンに対する影響や、基質特異性などの酵素化学的・物理化学的諸性質を明らかにする。さらに、本酵素を用いて、市販レシチン(大豆レシチンや卵黄レシチン)の乳化特性に優れたリゾレシチン(リゾリン脂質)への変換や、機能性脂肪酸側鎖に富むレシチンへの改変を行う。また、本酵素を用いて調製したリン脂質とその誘導体の物理化学的性質などを明らかにし、本酵素の産業利用可能性を評価する。
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研究成果の概要 |
好熱性細菌B157T株のホスホリパーゼA(PlaA)は不活性型(PlaA-Cpro)として分泌され、細胞外で活性型となることが示唆されている。本研究では、PlaA-Cproを大腸菌で発現し、in vitroプロセシングによってPlaAの大量調製に成功した。本酵素は広い範囲のpH・温度で安定であり、中性脂質には作用せず、リン脂質のsn-1位に高い選択性を持つPLA1であった。また、本酵素は基質を含む混合ミセルを認識することを明らかにした。さらに、本酵素を用いて、リン脂質とメタノールから脂肪酸メチルエステルを合成したり、リン脂質の脂肪酸を中性脂質の脂肪酸と交換することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
好熱性細菌B157T株が生産するホスホリパーゼ(PlaA)が広範囲のpHや温度で安定であり、sn-1位に高い選択性を持つPLA1であったため、市販酵素の代替酵素として十分対応できる酵素であると考えられる。また、本酵素は、脂肪酸メチルエステルの合成やリン脂質の脂肪酸を中性脂質の脂肪酸に交換するのに利用できることを明らかにした。本酵素は、相同性の高いタンパク質が報告されていない新規酵素であるため、脂質関連酵素の基質認識の理解や脂質関連酵素の特性解明に大きな貢献が期待されるだけではなく、環境負荷の少ないリン脂質の改変や加工において産業利用の可能性を示している。
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