研究課題/領域番号 |
19K05911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤田 智之 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (10238579)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高静水圧 / マルターゼ阻害活性 / 玄米 / 高静水圧処理 / 高圧加工米 / マルターゼ阻害 / ショ糖エステル / フェルラ酸 / 籾 / 生理活性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、籾や玄米に加水して、加温・加圧下で処理した後、乾燥・精米して割れの少ない白米を得る技術を確立した。得られた高圧加工米は精米後も糠成分を含む特長があり、ヒト試験において血糖値の改善効果等が認められている。本研究では高圧加工米中の機能性成分を明らかにして、同米の健康保持効果を解明することを目的とする。本研究により玄米食の健康効果を新たな視点で再評価することで、米飯食の更なる普及に繋げたい。
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研究成果の概要 |
高静水圧下で玄米に水を添加して加温処理すると糠層(種皮や胚芽)の成分が白米中に移行することを見いだした。処理時に糠層から胚乳部(白米)に移行する成分を単離・同定すれば、玄米に含まれる新規な機能性成分が発見できるものと予想した。本研究では、二糖類分解酵素の一つであるマルターゼ阻害活性を指標に米糠メタノール抽出物から活性成分を検索した。各種クロマトグラフィーにより活性画分を分離、精製した結果、3種のスクロースヒドロキシ桂皮酸エステル及び二糖にフェルラ酸が結合した化合物を単離した。これらの化合物がマルトース阻害活性を示すことの報告は初めてであり、血糖値低減効果に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では米糠に含まれるマルターゼ阻害成分を探索し、3種のスクロース桂皮酸エステルと二糖にフェルラ酸が結合した化合物を単離した。これらの化合物がマルターゼ阻害活性を示すことの報告は初めてであった。種皮や胚芽に含まれる成分を胚乳部に移行させた高圧加工米のヒト介入試験では、高圧加工米摂取による血糖値の改善効果等を明らかにしてきた。今回見い出した化合物は種皮や胚芽などの糠中に多く含まれており、高圧加工処理により胚乳部に浸透移行することから高圧加工米の血糖値低減効果に寄与していることが示唆される。
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