研究課題/領域番号 |
19K05915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
有田 安那 十文字学園女子大学, 国際栄養食文化健康研究所, 客員研究員 (20518104)
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研究分担者 |
佐々木 菜穂 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (10571466)
山崎 優子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 准教授 (70518117)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 亜鉛 / cyclic feeding |
研究開始時の研究の概要 |
微量栄養素の生理機能とその機構の解明には、当該栄養素欠乏からの早期の回復過程を時系列的に解析する動物実験が効果的である。しかし、亜鉛に関する適用例は少ない。亜鉛欠乏ラットに特有な3~4日周期の摂食量の増減(CF:cyclic feeding)とその位相のずれが、群としての解析を妨げるためと推定される。そこで、申請者らは亜鉛欠乏ラットのCFを同期させ、亜鉛欠乏からの回復過程を解析するモデルを考案した。本研究では申請者らの手法に基づき、肝臓を標的として糖・脂質代謝産物等の時系列的・網羅的な解析を行う。亜鉛に対する応答を詳しく調べ、亜鉛の生理機能・機構解明に向けて突破口を開くことをめざす。
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研究成果の概要 |
本研究では、亜鉛欠乏ラットに特有なcyclic feeding(CF)を同期した新規亜鉛欠乏回復モデルの有効性を検証することを目的として、糖質・脂質代謝に対する亜鉛の生理機能を解析した。CFを同期した亜鉛欠乏ラットに解剖3時間、24時間前に亜鉛溶液を腹腔内投与し、亜鉛無投与群には生理食塩水を投与した。肝臓を標的としたDNAマイクロアレイおよびメタボローム解析を実施した結果、亜鉛が関与する可能性のある糖質・脂質代謝関連分子を検出することができた。本研究により、糖質・脂質代謝における亜鉛の生理機能解析においても、本モデルは一定の有効性があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CFを同期した亜鉛欠乏回復モデルを適用することで、亜鉛に対する生体応答を群の応答として直接捉えることができ、亜鉛との関連性が指摘されてこなかった脂質代謝関連分子を見出すことができた。培養細胞や特定の遺伝子を欠損させたマウスを用いた従来の手法は、標的分子が定まっている場合に、亜鉛に対する生体応答を詳細に解析する上で極めて有効であるのに対し、本モデルは未知の亜鉛の生理機能の探索やスクリーニングに適していることが示された。本手法によって亜鉛投与後に検出された生体応答から亜鉛の標的分子を絞り込み、従来型の研究手法と組み合わせることで亜鉛の生理機能とその機構の解明に大きく寄与することが期待される。
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