研究課題/領域番号 |
19K05928
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 裕 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30835377)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | iPS細胞 / 小腸オルガノイド / Caco-2細胞 / レンチウイルス / CYP誘導 / スクリーニング / ゲノム編集 / ヒト小腸オルガノイド / CRISPR/Cas9 / オルガノイド / 食品成分 / 分子細胞生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
オルガノイドは従来使用されてきた株化細胞よりも生理機能が生体内に近いと考えられている三次元構造体であり,小腸オルガノイドはヒト生体内における小腸の生理応答をより正確に反映できるモデルとして着目されている。本研究では,ヒトiPS細胞より分化させた小腸オルガノイドを用いて,分子細胞生物学的アプローチにより小腸上皮細胞の機能を解析する。特に,機能性食品開発といった応用研究の可能性を考慮し,リポタンパク質分泌などの脂質代謝イベントに着目する。さらに得られた知見を活用した生理活性物質の探索を行い,近年,患者数が増加している腸炎等の発症予防や寛解期間の持続を目指した機能性食品創製への展開を目指す。
|
研究成果の概要 |
生理機能が高いとされるヒト小腸オルガノイドを用いた解析を行った。サイトカインを恒常的に発現するL細胞の培養上清を使用し,オルガノイド培養のコストの大幅な削減,および高効率な遺伝子導入に成功した。薬物代謝酵素の誘導,糖取り込み,カイロミクロン分泌といったヒト小腸で重要な生理機能は,従来の株化細胞であるCaco-2細胞では低いが,オルガノイドより作製した単層の腸管上皮細胞では高いことが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小腸オルガノイドの利用には,手間に加え膨大なコストを要する。本研究では、培養コストを従来よりも1/100に低減させ,さらに実験者誤差が生じにくい操作方法の確立に成功した。また,小腸オルガノイドでは様々な代謝機能が従来の細胞に比べて高いことを具体的に示した。以上の結果は,特に基礎研究におけるオルガノイドの活用を促進し,これまでに見出せていないヒトバイオロジーの解明に大きく貢献することが期待される。
|