研究課題/領域番号 |
19K05930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
東川 史子 広島大学, 医系科学研究科(薬), 特任准教授 (70346534)
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研究分担者 |
杉山 政則 広島大学, 医系科学研究科(薬), 共同研究講座教授 (30106801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / 腸内マイクロバイオーム / ディスバイオシス / 植物乳酸菌 / クローン病 / 腸内細菌叢 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、腸内細菌叢の乱れと様々な疾患が関係していることが明らかとなってきた。それら疾患には肥満や糖尿病、アルツハイマー型認知症、アレルギー、そして炎症性腸疾患等が含まれる。一方、我々はこれまでに、多種多様な植物から分離した700株以上の乳酸菌の中から、腸内細菌叢に有益な変化をもたらす菌株を見出してきた。そこで、本研究では、近年、本邦において患者数が急増している炎症性腸疾患に着目し、バランスが損なわれた腸内細菌叢を再構築する方法を確立することにより、炎症性腸疾患に有効な治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、植物乳酸菌による治療戦略につなげることを念頭に置き、健常者と炎症性腸疾患患者の腸内細菌の特徴について検討した。その結果、炎症性腸疾患患者の中でも、寛解維持治療薬を服用中か否かで、腸内マイクロバイオーム(MB)による腸管細胞障害性及びサイトカイン類の発現誘導等に差異があることを見出した。服用無しのMBは、腸管細胞生存率を有意に低下させたが、服用中の患者のMBでは健常者と差が無かったことから、寛解維持治療薬は腸内細菌を鎮静化していることが明らかとなった。また、治療薬服用無しの患者の腸内MBは、正常な腸内MBをディスバイオシスへと誘導する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内における炎症性腸疾患患者は近年急増しているが、未だ完治に至る治療法は確立されておらず、寛解維持が治療の中心となっている。炎症性腸疾患は寛解と再燃を繰り返すことから、学業や就業に支障を来たしQOLが著しく損なわれることが多く、本疾患の原因究明が急がれる。本研究では、炎症性腸疾患の患者の間でも、治療薬服用中か否かによって、腸内マイクロバイオームの細胞障害性等が異なっていることが示唆された。その差が何に由来するのかを明らかにすることによって、疾患の発症原因の解明及び根治療法開発への一助となると考えられる。
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