研究課題/領域番号 |
19K05931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂尾 こず枝 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 助教 (40713285)
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研究分担者 |
侯 徳興 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (90305160)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フラボノイド / アセチル修飾 / がん転移抑制 / アセチル誘導体 / 転移予防効果 / EMT抑制 / 誘導体 / がん転移 |
研究開始時の研究の概要 |
転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って別の臓器に移動し、そこで定着・成 長することをいい、乳がんにおいては、検査では見つからない程度のごく小さな転移が比較的早期から起こっているとされている。この“見えない転移”を予防することが、天然由来の機能性化合物、フラボノイド類によって、どこまで可能になるかを解明することを主な目的とし、化学的または食事的予防効果の相反する視点から研究を実施する。 それぞれの研究から得られた結果を総合的に解析し、フラボノイド類の生理活性を最大現に発揮するために必要な条件ならびに化学構造について科学的知見を提示する。
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研究成果の概要 |
フラボノイドの生理活性を効果的に増強し、より高い乳がん転移抑制効果を得る条件の探索を実施した。各種フラボノイドの代表化合物を用い、そのアセチル化誘導体を作成し、ヒト乳がん細胞に対する予防効果を遊走・浸潤・拡散抑制効果を評価したところ、ケルセチンと同等もしくはそれ以上に転移抑制効果を示すフラボノイドとしてアピゲニンならびにケンフェロールを選出することが出来た。アピゲニンに関しては、アセチル修飾により低濃度で、アポトーシス誘導を伴わない抑制効果を示すことが示唆された。フラボノイドの種類に合わせて、アセチル修飾の位置ならびに数を検討するとより効率的に乳がん転移予防効果が増強しうることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファイトケミカルを用いた血管新生ならびにがん転移の予防効果の研究はすでに国内外で盛んに実施されてきてはいるが、本研究のようにフラボノイドの誘導体を合成し、その生理活性を評価・解明する研究については、がん細胞の増殖抑制能や、抗がん活性についての評価・検証を行った報告はあるものの、転移抑制効果を評価したものはごく僅かである。よって、本研究の試行は、フラボノイドのがん転移抑制効果の研究においても十分に新しい知見を呈示しうるものとして意義の深い研究であると同時に、フラボノイドの誘導体として乳がん転移抑制効果との構造活性相関を初めて検証した研究として価値の高いものであると考える。
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