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食品成分による新規抗癌活性:アノイキス誘導による癌細胞の浸潤・転移抑制機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K05932
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

矢野 仁康  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40304555)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード癌幹細胞 / 細胞死 / ストレス蛋白質 / アポトーシス / 上皮間葉転換 / アノイキス / ストレスタンパク質 / クルクミン / カプサイシン / ヘスペレチン / 足場非依存性癌細胞 / ポリフェノール
研究開始時の研究の概要

近年,食生活と発癌リスク,すなわち,癌体質を作る現代人の食事情が明らかにされてくる中,食を活用した癌予防対策が注目されている.これまで,我々は発癌予防効果を有する食品成分に備わる共通の新機能として,“熱ショック蛋白質調節による発癌抑制機能”について解析してきた.本研究では,これら食品成分による熱ショック蛋白質に対する発現抑制作用が,どの様にして癌細胞を障害するのか,癌幹細胞を含む足場非依存性癌細胞群を対象に細胞周期停止機能と細胞死誘導機能に焦点を合わせその詳細を分子レベルで明らかにすると共に,マウスを用いたヒト癌(移植)モデルを作成し食品成分による発癌抑制効果について検証する.

研究成果の概要

本研究では, 食品成分による癌の浸潤・増殖・転移抑制効果について, in vitro並びにin vivoでの解析を行った. 先ず, 培養癌細胞を用いた解析により, 食品成分のクルクミン、ヘスペレチン, レスベラトロール, カプサイシンは, 癌幹細胞を含む足場非依存性癌細胞群に対するEMT抑制機能を介して, これら細胞にアノイキスを誘導(細胞傷害作用)する事で癌の浸潤・転移に抑制的に働く可能性が示唆された. さらにLLC細胞をマウスの肺へ生着させた自然肺転移モデルによる解析から, 動物実験レベルでも, クルクミンは, 癌の原発巣のみならず肺転移に対しても抑制的に機能している事が明らかとなった.

研究成果の学術的意義や社会的意義

癌の浸潤の多くは,通常の癌細胞が,EMT(上皮間葉転換)を起こし遊離した後,アノイキス耐性を獲得する事で生じる足場非依存性の増殖と関係している.一方,癌の遠隔臓器への転移や再発は,これらアノイキス耐性細胞と癌細胞に混じる少数の癌幹細胞(CSC)からなる足場非依存性癌細胞群(以後AICCGと略記)が重要な役割を果たしている.最近,我々は,抗癌作用を持つ一部の食品成分には,アノイキス抑制分子である幾つかのストレス蛋白質の発現を著明に減少させる作用がある事を見出した.今回,これら食品成分によるAICCGに対するアノイキス誘導能を検証する事で,癌細胞の浸潤・転移に対する抑制機能について解析を行った。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Curcumin induces apoptosis in lung cancer cells by 14-3-3-protein-mediated activation of Bad2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Endo, Izumi Inoue, Kimiko Masunaka, Masaya Tanaka, and Mihiro Yano
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 84(12) 号: 12 ページ: 2440-2447

    • DOI

      10.1080/09168451.2020.1808443

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ヘスペレチンはHSF1を介して癌細胞の上皮間葉転換を抑制する2021

    • 著者名/発表者名
      田中大也,遠藤弘史,矢野仁康
    • 学会等名
      第75回日本栄養・食糧学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ヘスペレチンはHSF1を介して癌細胞の上皮間葉転換を抑制する2021

    • 著者名/発表者名
      田中大也,遠藤弘史,矢野仁康
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] クルクミンが有する癌細胞転移に対する抑制機能についての解析2021

    • 著者名/発表者名
      黒川沙貴,遠藤弘史,矢野仁康
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ヘスペレチンはHSF1の発現を抑制して癌幹細胞特性を低下させる2020

    • 著者名/発表者名
      佐草小夏,遠藤弘史,矢野仁康
    • 学会等名
      第93回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ヘスペレチンの新規抗癌活性:HSF1抑制を介した癌幹細胞性減弱機能の解析2020

    • 著者名/発表者名
      佐草小夏,田中大也,遠藤弘史,政所千智,矢野仁康
    • 学会等名
      第 59 回日本栄養・食糧学会近畿支部大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] カプサイシンによる新規癌細胞増殖抑制機構:14-3-3σを介した細胞周期停止機能についての解析2019

    • 著者名/発表者名
      高台絢加 遠藤弘史 日馬亜希 矢野仁康
    • 学会等名
      第73回日本栄養・食糧学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] クルクミンによる癌細胞死誘導メカニズムの解析ならびに浮遊癌細胞に対するアノイキス誘導効果の検討2019

    • 著者名/発表者名
      舛中貴美子 遠藤弘史 柘植 未来 矢野仁康
    • 学会等名
      第73回日本栄養・食糧学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] ヘスペレチンの癌細胞及び癌幹細胞に対する新規抗癌作用の検討2019

    • 著者名/発表者名
      佐草小夏 遠藤弘史 矢野仁康
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] クルクミンによる浮遊癌細胞に対するアノイキス誘導メカニズムの解析ならびに癌幹細胞抑制効果の検討2019

    • 著者名/発表者名
      舛中貴美子 遠藤弘史 矢野仁康
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] カプサイシンによるp53-14-3-3σ経路を介した細胞周期停止機能についての解析2019

    • 著者名/発表者名
      高台絢加 遠藤弘史 矢野仁康
    • 学会等名
      第92回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] 知のリソース

    • URL

      http://db.spins.usp.ac.jp/html/100000242_ja.html

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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