研究課題/領域番号 |
19K05939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2022-2023) 埼玉県産業技術総合センター (2019-2021) |
研究代表者 |
富永 達矢 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (80580539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腐敗食品 / 衛生指標 / 微生物 / 細菌 / メタゲノム解析 / イムノクロマト / 試験紙 / 細菌構成叢 / アンプリコン解析 / イムノクロマトアッセイ / 指標 / 大腸菌群 / 乳酸菌 / 食品衛生 / 腐敗指標 / 細菌フローラ / 次世代シーケンサー / 指標菌 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
食品製造者は、製品の衛生状態を指標菌数で確認し、規定数以上の菌数が検出された場合、汚染源の除去に努める。近年、製造環境の構成細菌が変化し、食品中の指標菌数が規定数以下でも、腐敗に至る事例が頻発しており、実情に適合した衛生指標が強く望まれていた。本研究では、次世代シーケンサで食品中(正常品と腐敗品)の構成細菌を解析し、衛生指標となる細菌を新たに選抜する。さらに、選ばれた指標菌のフローラを解析可能なイムノクロマト試験紙を開発する。食品と製造環境のフローラ間の類似性から、製造現場で速やかに汚染原因を特定できる。本システムは、食の安心・安全を担保する衛生管理技術としての利用が期待される。
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研究成果の概要 |
腐敗した食品のメタゲノム解析から衛生指標となり得る菌を選抜し、イムノクロマト試験紙を用いた簡易検出法の開発を試みた。腐敗洋菓子の細菌構成叢を調べた結果、Pantoea属、Bacillus属、大腸菌群、乳酸菌などの存在が確認された。これらの細菌に対する抗体を作製し、大腸菌群や乳酸菌を検出するための試験紙を各々構築した。食品を一定温度で培養し、試験紙で陽性反応を得られるまでに要する時間から、食品の腐敗度を可視化した。洋菓子を対象に、大腸菌群による汚染の程度を予測した正答率は87%を示した。また、惣菜を対象にした試験では、乳酸菌による腐敗の検出率は82%に達した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、食品工場において、殺菌力の高い洗浄法が普及してきている。この結果、食品製造環境の常在細菌叢が変化し、食品の腐敗状態を示す指標菌が従来のものと変化してきた。本研究では、Pantoea属細菌や乳酸菌などが新しい腐敗指標となり得ることを示した。また、イムノクロマト試験紙を用いたそれら新規指標菌の簡易検出法の開発にも成功した。消費期限/賞味期限の適切な設定が可能になり、フードロス削減にもつながることが期待される。
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