研究課題/領域番号 |
19K05951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高塚 大知 金沢大学, 生命理工学系, 助教 (70633452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | DNA倍加 / 細胞周期 / エピジェネティクス / 細胞成長 / クロマチン / DNA複製 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞分裂を伴わずにDNAの複製を繰り返し、核DNA量を増やす特殊な細胞周期様式であるDNA倍加は、植物に広く見られる現象である。植物は一般に動物に比べ高いDNA倍加能力を示すことが知られている。これは換言すれば、「植物は容易にDNAの再複製を可能にするメカニズムを持つ」ということであるが、そのメカニズムに関しては、殆ど知見が得られていないのが現状である。そこで、本申請で、「特定のエピジェネティック修飾の変動により、クロマチン側が、再複製を受け入れる態勢を整える」という新しい概念を確証する。
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研究成果の概要 |
「DNA倍加」は、細胞分裂を経ずにDNA複製のみを繰り返す細胞周期様式であり、核相の増加を通じて細胞肥大を誘発するため、植物バイオマス生産強化の鍵を握る重要な現象である。本研究で、私たちは今まで着目されてこなかった「エピジェネティクス(DNA配列の変化を伴わないクロマチン動態変化システム研究分野)」とDNA倍加の意外な接点を明らかにした。特定のエピジェネティック制御因子が、DNA倍加開始を阻害する働きを持つことを明らかにした。実際、この制御因子を欠損した変異体ではDNA倍加が顕著に亢進し、細胞サイズの増大が見られた。今後、この制御因子を利用した植物バイオマス増産技術の開発が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA倍加は細胞肥大を誘発するため、植物バイオマス増産の観点から重要な生命現象である。従来の細胞周期因子に着目した研究では、イネやポプラのようなDNA倍加能力の低い植物種でDNA倍加を誘発することはできないことがわかっており、DNA倍加開始に必要な未知のファクターの存在が示唆されていた。本研究の成果から、そのファクターがエピジェネティック制御である可能性が示唆された。今後、「細胞周期」と「エピジェネティック制御」を同時改変することで、イネやポプラで自在にDNA倍加を誘発し、植物バイオマスを人為的に増産する技術の開発が可能になると期待される。
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