研究課題/領域番号 |
19K05952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
水谷 治 琉球大学, 農学部, 准教授 (10443996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 麹菌 / ゲノム編集 / 人工ヌクレアーゼ (TALENs) / CRISPR/Cas9 / DNA 二本鎖切断修復 / 非相同末端結合 / 人工ヌクレアーゼ (TALEN) / ligD / 黄麹菌 / 黒麹菌 / DNA 修復機構 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集は、対象生物のゲノム中の任意の位置に二本鎖切断を引き起こし、DNA 修復機構を利用して、自由に遺伝子改変を行える技術である。この技術を麹菌に用いると、酵母や動植物では、数 bp の欠失や挿入が観察されるのに対し、麹菌ではしばしば 1 kb 以上の大規模な欠失が引き起こされる。本研究では、この大規模欠失のメカニズムの解明に取り組み、関与遺伝子を明らかにする。更に、関与遺伝子を制御することで、ゲノム編集時に自由に欠失の規模をコントロールすることが可能かに挑戦する。
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研究成果の概要 |
麹菌野生株において、非相同末端結合 (NHEJ) 修復エラーを介したゲノム編集を行うと、得られたゲノム編集株の約半分程度で 1 kb 以上もの大規模欠失が観察された。そこで、NHEJ 経路に関与すると予想された DNA 分解活性を有する DNA ポリメラーゼ (polD) 等の遺伝子破壊株を作成し、ゲノム編集による大規模欠失の有無を調べた結果、PolD は大規模欠失に関与していないことが示唆された。また、大規模欠失抑制株のゲノム解析から 17 個の変異遺伝子を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、麹菌において非相同末端結合修復エラーを介したゲノム編集を行うと、酵母や高等動植物で観察されるような数 bp の欠失の他に 1 kb 以上もの大規模な欠失が高頻度で観察されることについて、どのような因子が大規模欠失に関与しているかを明らかにしようとしている。本研究が進展すれば、従来、他の生物と同様と考えられていた麹菌の DNA 2本鎖切断修復機構において、麹菌独自の機構の発見やこのメカニズムを利用した新たな麹菌育種法の開発等に繋がると期待される。
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