研究課題/領域番号 |
19K05955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
上村 聡志 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (10399975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アスパラギン結合型糖鎖 / 糖転移酵素 / マンナン修飾 / 出芽酵母 / 逆行輸送 / マンナン糖鎖 / 糖鎖 / 糖タンパク質 / 糖鎖修飾 / ゴルジ体 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内で働くタンパク質の中には、糖が連なった糖鎖を分子内に持つ糖タンパク質がかなりの数存在し、この糖鎖はタンパク質が十分に力を発揮するために必要である。糖鎖構造は非常に多様であり、その糖鎖を合成する場所がゴルジ体である。ゴルジ体は槽板構造をしており、その中を糖タンパク質が一方向に通過することで糖鎖の合成が進行するというのがこれまでの漠然とした考えである。しかし、我々はこのゴルジ体通過が複数回繰り返されることによって糖鎖の合成が進行するという新たな事実を見出してきた。本研究では、このゴルジ体での糖鎖合成メカニズムの詳細と糖鎖が糖タンパク質の寿命を決定しているタイマーになっている可能性を調べる。
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研究成果の概要 |
本研究では、タンパク質のアスパラギン残基に結合する糖鎖が、当該タンパク質の寿命決定に関与しているかを調べた。解析対象は出芽酵母のスフィンゴ糖脂質をゴルジ体で合成する糖転移酵素、Sur1とCsh1である。これら酵素のアミノ酸配列は非常によく似ているが、細胞内でのSur1の安定性は、Csh1よりも著しく高い。この安定性の違いはCsh1だけに結合する特徴的な構造を持つマンナン型糖鎖に起因するものではなかった。しかし、マンナン糖鎖を人為的に導入したSur1変異体の安定性は、著しく低下することを見出した。つまり、マンナン型糖鎖が酵素の立体構造変化を介して安定性に影響を与えたということを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、出芽酵母において、細胞外に分泌されるタンパク質に結合するマンナン型糖鎖が、なぜ細胞内に留まる糖転移酵素Csh1に結合しているのか、という長年の疑問に対する答えが出せたことは学術的に意義がある。このマンナン型糖鎖が作られるかどうかは、その糖鎖結合位置だけで決まるという事実は、細胞内に留まるタンパク質の中にマンナン型糖鎖を持つものがまだ眠っている可能性を期待させるものである。また、細胞内タンパク質に結合するマンナン型糖鎖がタンパク質の安定性に影響を与えることを明らかにできたことも重要な一歩である。
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