研究課題/領域番号 |
19K05959
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
|
研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
征矢野 敬 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 准教授 (60532819)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 根粒共生 / 根粒進化 / 器官形成 / 遺伝子発現制御 / ミヤコグサ / 植物微生物相互作用 / 植物生物間相互作用 / 微生物植物相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
マメ科植物の根粒共生は、持続的農業の展開に重要な形質である。この形質は「共生特異的経路」と「植物が一般に持つ既存経路」との間で分子ネットワークの再編が起こることで進化学的に獲得された。本研究では根粒原基に着目し、その形成領域や数を制限する機構の解明を目的とする。これまでに根粒原基の形成に側根原基の誘導因子が深く関わることを明らかにした。また、これらとは別に原基形成を空間的に制御する因子が重要であることが分かってきた。根粒と側根原基の双方で作用するAP2/ERFファミリー転写因子の解析を通して、共生特異的経路と側根関連経路がどのように連携して原基形成を空間的に制御しているかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
マメ科植物における根粒形成の空間的制御を明らかにするために、根粒原基形成の側方抑制に関わるミヤコグサPUCHI遺伝子に着目した。PUCHI遺伝子の過剰発現による表現型と遺伝子発現プロファイルなどから、PUCHIはNIN宿主共生遺伝子の発現を制御する正のフィードバック経路で作用しており、NIN遺伝子のサイトカイニン応答に必要なプロモーター上の部分領域を介して発現を誘導することが分かった。また、根粒原基形成を抑制する拡散性の因子であるエチレンとPUCHIとの関係を解析し、PUCHIが根粒菌接種時に誘導されるエチレン合成酵素の発現を正に制御することを突き止めた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
根粒共生は既存の様々な経路を流用しながら進化したと考えられている。側根の発達にも作用するPUCHI遺伝子が根粒の発達に影響することを明らかにし、先行研究で提唱した側根発達経路の根粒形成への流用といった考え方を補完する結果が得られた。さらにPUCHIが根粒形成を直接的に制御する遺伝子の発現を誘導したことから、共生経路が単に側根発達経路に働きかけているだけでなく、双方向に相互作用していることが分かり、これまでの考え方をさらに発展させた。
|