研究課題/領域番号 |
19K05962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
保坂 和良 帯広畜産大学, その他部局等, 特任教授 (60222428)
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研究分担者 |
實友 玲奈 帯広畜産大学, その他部局等, 助教 (20716378)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | バレイショ / 2倍体F1育種 / Sli遺伝子 / 雑種強勢 / 近交弱勢 / 純系 / 2倍体バレイショ / ホモ接合性 / 収量遺伝子 / 2倍体純系 / ヘテロ接合性 / 自殖弱勢 / F1育種 |
研究開始時の研究の概要 |
2倍体バレイショで発見された自家不和合性阻害遺伝子(Sli)を利用すると自殖系統を作ることができ、これを用いてF1品種を育成できることから、バレイショ育種に革命が起こりつつある。しかし、自殖世代を重ねると100%ホモ接合性系統が本当に作れるのか? また、4倍体品種並みの収量を2倍体品種で得られるのだろうか? 本研究はこの2点を明らかにすることを目的とし、自殖第10世代バレイショについて一塩基多型(SNP)アレーを用いてゲノム全域でヘテロ接合性の調査を行うとともに、自殖系統間で生ずる雑種強勢の程度(=収量)を調査する。
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研究成果の概要 |
2倍体バレイショは自家不和合性を示すが、Sli遺伝子を導入すると自殖が可能となる。本研究ではさらに自殖を続け、稔性の低下や生育遅延などの近交弱勢が顕著となるが、ほぼ100%のホモ接合体(純系)を作ることができた。このような純系間のF1雑種では、地上部生育量や稔性において顕著な雑種強勢が見られるものの、イモ収量に関しては、Solanum tuberosum半数体とその雑種系統に高い収量が見られた。したがって、バレイショにおける2倍体F1育種は、雑種強勢とS. tuberosum由来の高収量性遺伝子を兼ね備えることにより実用レベルの収量性と均一性が達成されるものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、Sli遺伝子を使うことにより2倍体バレイショでのF1育種を可能とし、従来品種並みの収量も期待できることを示唆した。2倍体を用いることにより、遺伝分析が容易となり計画的育種が可能となることから育種年限の短縮につながる。また、種イモで栽培する従来農法から、真正種子で栽培する農法へと転換すると、種イモの生産・貯蔵・流通におけるコストを大きく下げその経済効果は計り知れないものがある。
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