研究課題/領域番号 |
19K05981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
石川 和也 公益財団法人岩手生物工学研究センター, ゲノム育種研究部, 研究員 (40804703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イネ / イネもみ枯細菌病菌 / 苗腐敗症 / 耐病性 / イネもみ枯細菌病 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の主要作物であるイネにおいて、日本ではいもち病、もみ枯細菌病や紋枯病など様々な病気が蔓延しているが、いもち病以外のこれらに対する抵抗性品種および抵抗性因子については明らかにされていないのが現状である。特に、イネもみ枯細菌病は、もみおよび葉鞘の褐変、枯死を引き起こすとともに、箱育苗の普及により苗の腐敗 (苗腐敗症) も引き起こし、移植苗の安定供給の阻害要因となっている。しかしながら、もみ枯細菌病菌に対するイネの抵抗性因子については全く明らかにされていない。そこで本研究課題では、イネもみ枯細菌病に対して組織特異的 (苗および葉鞘、もみ) に効果のある抵抗性遺伝子の同定を試みる。
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研究成果の概要 |
東北の主力品種である「ひとめぼれ」とイネもみ枯細菌病菌が引き起こす苗腐敗症に対して抵抗性を示す「KALUHEENATI」の交配集団を用いた解析から、2箇所のQTLを得た。加えて、エチレンシグナリングがその耐病性に重要であることも明らかにした。さらに、これらの解析からエチレンシグナリングやエチレン合成に関与する有力な候補遺伝子を得ている。 KALUHEENATI遺伝子型で抵抗性を付与するQTL領域のみKALUHEENATI遺伝子型の、ひとめぼれ準同質遺伝子系統を作出した。この系統は、「ひとめぼれ」と比較しイネもみ枯細菌病菌が引き起こす苗腐敗症に対して抵抗性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東北の主力品種である「ひとめぼれ」にエチレン前駆体である1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸 (ACC) で処理すると、イネもみ枯細菌病菌が引き起こす苗腐敗症に対して抵抗性を示すことが明らかになった。これは、エチレンシグナリングがその耐病性に重要であることを示しており、新規農薬の創薬の基盤となる成果である。 さらに、「ひとめぼれ」よりイネもみ枯細菌病菌が引き起こす苗腐敗症に対して抵抗性を示す『ひとめぼれ準同質遺伝子系統』も作出した。今後、味や収量などを解析する必要はあるが、この系統は育種の母本として使用できる可能性があると思われる。
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