研究課題/領域番号 |
19K05983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
伊藤 博紀 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 上級研究員 (00466012)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光周性花成反応 / 青色光 / 出穂期制御 / 環境応答 / イネ / 光環境応答 / 光周性反応 / 成長制御 / 開花期制御 / 光受容体 / 転写制御 / ゲノム編集 / 遺伝学的多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
作物の開花期(イネにおける出穂期)は、品種の地域適応性として重要な栽培期間や収量性と密接な関係にある。本研究では、イネにおける青色光制御系が開花(出穂)期を大幅に改変することが可能かを検証する。具体的には、青色光依存的なEhd1転写制御系を明らかにし、青色光感受性を増強させることにより日長に依らない早生化が可能かを検証する。さらに、青色光応答性の品種間差を解析し、光誘導的な出穂促進に関わる遺伝子の同定する。これにより、イネ出穂期の微細制御に関する品種改良に関する基礎知見や新規な育種素材の評価系の構築が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、イネの青色光応答性の開花期制御メカニズムを明らかにし、人為制御に必要な基盤の構築を目指した。まず、青色光応答性の分子基盤の構築では、青色光信号伝達系からその下流で機能する複数の転写因子の相互作用を解析し、促進因子Ehd1遺伝子の発現制御基盤を明らかとした。Ehd1の青色光応答性のシス配列と相互作用する転写因子は新規遺伝子であった。次に、この青色応答性に関する遺伝子のゲノム編集系統や過剰発現系統を作出し、朝方のEhd1の発現誘導との関係と出穂との関係を明らかとした。今後は、構築した基盤の遺伝子変異集積と適切な制御環境を組み合わせることで開花制御の高度化を進める予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の開花期制御は、環境に応答した生存戦略の多様性を成す花芽形成の分子機構である。イネをモデルとした本成果は、植物における青色光応答性の開花期制御の分子メカニズムにおける植物普遍的な部分とイネ(科)特異的な部分を合わせて明らかにした点で重要であると考えられる。また、近年、作物の品種改良の加速化や人工環境をもちいた作物の安定生産などにおいて、LEDを使用した人工環境下での作物栽培は注目を集めている。人工的に制御された環境で人為的に植物の成長速度や収量を制御する栽培手法の構築にも通じる本研究は、世代促進技術の構築や植物工場の光環境制御による効率的な栽培技術等の基盤情報として社会的にも重要である。
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