研究課題/領域番号 |
19K05984
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
堀 清純 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, グループ長 (50442827)
|
研究分担者 |
辻井 良政 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (70607671)
田中 淳一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 上級研究員 (30370571)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | イネ / 食味 / 炊飯米 / QTL / 炊飯米食味 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に、白米中の直鎖状澱粉(アミロース)やタンパク質の含有率が低いと炊飯米の食味が良くなり、脂肪酸などの脂質は古米臭の原因となることが知られている。しかしながら、それ以外の穀粒成分が炊飯米の食味にどのような影響を与えているかについては不明な点が多い。そこで本研究では、日本水稲品種が保持する炊飯米の食感を制御するQTLを見出して、その中から新規の穀粒成分の違いを生じて炊飯米の粘りや硬さ(食感)を変化させる遺伝子を単離・同定してその詳細な機能を明らかにするとともに、新規穀粒成分の改変による食味の改良効果を科学的に検証する。
|
研究成果の概要 |
水稲187品種の全ゲノムSNPデータと炊飯米食味形質・細胞壁分解酵素量等の評価データを用いたGWASとGSにより、900カ所以上のQTLを検出して形質予測モデルを構築した。水稲品種の分離集団(合計435系統)を作出して、アミロースやタンパク質含有率に影響を受けない良食味QTLを検出した。多収品種タカナリの遺伝解析集団において第1、2、3、4、5、11番染色体上に、新規の食味QTLを検出した。これらのQTLは、アミロースやタンパク質含有率とは異なるメカニズムで食味改変が可能な遺伝子座と考えられる。該当する領域を他品種の染色体断片に置換した系統群において、各QTLの遺伝効果を確認できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のゲノム解析技術の発達により、イネの収量性を制御する複数の重要遺伝子が同定されている。しかしながら、もう一方の最重要な育種選抜形質である米の品質、特に炊飯米の食味や食感を制御する遺伝要因(遺伝子)のほとんどは明らかとなっていない。これまでに、最近の良食味品種は胚乳中の細胞壁分解酵素活性が低い傾向を示すことが明らかとなった。そこで、細胞壁などの新規の穀粒成分を改変することにより、炊飯米の物性を変化させて新しい食感を付与することが可能であると考えられた。本研究では、炊飯米の食感や食味を向上させる胚乳の細胞壁成分に着目して、新規の遺伝要因の解明を目指した。
|