研究課題/領域番号 |
19K05997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
荒木 英樹 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90346578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コムギ / 枯れ熟れ / 登熟不良 / 窒素代謝 / 過湿土壌ストレス / 窒素欠乏 / プロテアーゼ / 老化 / 登熟 / パン用コムギ品種 / 枯れ熟れ様登熟不良 / 高地下水位 / 早枯れ / 窒素吸収 / 湿害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、コムギの登熟期の早枯れは、穂形成期以降に激増する窒素シンク容量に対して根からの窒素供給速度が追い付かないため、タンパク質や酵素などの貯蔵窒素化合物の分解が早くに促進されるため起こるという作業仮説を検証する。検証試験では、先行試験によって特定した2つの早枯れ発症圃場(枯れ熟れ様登熟不良、湿害)を対象として、早枯れする個体と早枯れしない個体の間で、窒素吸収量や体内の窒素化合物含有率の変化を比較する。また、耐性に明確な品種間差がある枯れ熟れ様登熟不良については、上記の生理分析を行うとともに、量的遺伝子座位(QTL)を特定し、耐性品種の育成・選抜過程で分子マーカーが利用できるようにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、早枯れを引き起こす一連の生理過程を明らかにするために、窒素欠乏条件下と過湿土壌ストレス条件下で早枯れするコムギの枯れる時期や葉身窒素代謝の変化を明らかにした。通常よりも早く枯れ上がった低窒素条件下や高地下水位条件下では、開花15日ごろから黄化し、葉のプロテアーゼ活性もそれに先立って上昇したが、葉のタンパク質含有率はさらに前の開花期ごろから低下していた。登熟期の窒素蓄積増加量は、早枯れした群落で低く、とくに最上位の葉では早くに減少した。早枯れは、葉や穂への窒素供給不足が原因であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の小麦生産において、登熟不良は多収化を妨げる要因となる。本研究の成果により、早枯れを起こす群落では、外観的な枯れ上がりの症状が分かる前から葉の中でタンパク質含有率が低下していることを明らかになった。また、葉への窒素蓄積にも少ないことを明らかにした。こうしたコムギの特徴は、窒素代謝に関連する遺伝子やその制御システムに関連していると考えられ、さらにこの点を明らかにすることによって、早枯れによる登熟不良が起きにくい多収型の小麦品種が作出できると考えられる。
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