研究課題/領域番号 |
19K06022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
立石 亮 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (30267041)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アラビノース / アラビノフラノシダーゼ / 粉質化 / 細胞間接着 / 食感 / 果肉硬度 / 果肉水分 / 粉質 / 果肉ディスク / α-アラビノフラノシダーゼ / トマト / 硬度 / 低温 / 形態 / 細胞壁 |
研究開始時の研究の概要 |
青果物の内的品質には甘味、酸味、旨味などがある。内的品質のうち甘味については多くの研究が行われてきており、トマトでは糖蓄積のメカニズムが明らかにされるとともに、実際現場では高糖度果実の生産技術が確立し、また、育種も行われている。一方、最近では、食べたときの食感や香りなども新たな付加価値として注目されている。歯ごたえや舌触りといった食感(肉質)は野菜の嗜好性のうち最も重要とされとされているが、トマトでは主に輸送性との関係から果実(果肉)の硬さに多くの注目が集まり、食感形成に関する知見は乏しい。本研究ではトマトの異常食感の形成メカニズムについて、その原因や誘導機構について明らかにする。
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研究成果の概要 |
食感は果実の品質を決定する重要な要素である。本研究では、果肉軟化とともに生じる食感形成のうち、特に低温によって誘導される異常食感について着目し、食感を客観的に評価する方法について検討するとともに、細胞壁多糖類構成成分の変化に関わるグリコシダーゼ類と食感形成の関係について検討した。その結果、異常食感の一つである粉質は果肉組織の壊れやすさが影響していることが示され、果肉ディスクを等張液中で振とうした際の崩壊度を調べる方法が、その評価に適していることが明らかとなった。また、細胞壁多糖類の代謝に関わるα-アラビノフラノシダーゼの特定のアイソザイムが粉質に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
果実の食感は品質を決定する重要な要素であるにもかかわらず、その形成機構についてはあまり注目されてこなかった。成熟時に形成される食感はそれぞれの果実の特徴にもなっている。一方で、過度な成熟の進行に伴って、食感は悪い方向にも変化する。また、不適切な貯蔵条件も食感を低下させる。本研究では、アラビノースの遊離に関わる、特定のα-アラビノフラノシダーゼの作用が食感形成に関わっていることを示した。ここで明らかにされた知見は、食感形成機構の基礎的情報を提供するだけではなく、今後の高品質果実の育成や貯蔵中の品質低下を抑制するための手掛かりとなるであろう。
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