研究課題/領域番号 |
19K06024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター |
研究代表者 |
根本 圭一郎 公益財団法人岩手生物工学研究センター, 園芸資源研究部, 主任研究員 (60566727)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 開花 / アクアポリン / プロテインキナーゼ / リン酸化 / カルシウム / 花弁運動性 / カルシウムシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
花の開閉は植物の生殖過程において最も重要なプロセスの1つである。近年の研究では、花弁の運動性は膨圧運動に起因し、水分子を選択的に輸送する水チャネル・アクアポリンの機能が運動性を制御する直接的な因子の1つであると考えられている。しかしながら、現在までに、その詳細な分子機序はほとんど明らかになっていない。本研究では、花弁細胞内で発現するアクアポリンのリン酸化依存的な機能調節機構を解析し、花弁運動メカニズムを明らかにする。本研究成果は、植物の多様な膨圧運動の分子機序を解き明かす重要な知見となるだけでなく、植物の生命活動の維持に根源的に必要な水利用メカニズムへの理解にも繋がることが期待できる。
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研究成果の概要 |
花の開花は繁殖効率を左右する重要なイベントであり、リンドウなどのボウル型の花の多くは開花した後に何度も繰り返し開閉運動を行うことが知られている。しかし、その詳細はほとんど明らかになっていない。そこで、リンドウの花の可逆的な開花特性に注目し、その分子機序を解析したところ、花の開花は水チャネル・アクアポリンの働きによってもたらされる細胞内への水の流入と細胞肥大によるものであり、さらに、温度と光刺激がアクアポリンのリン酸化と活性化を誘導することで開花が促進されることを見出した。さらに、そのリン酸化を制御する新規プロテインキナーゼを特定し、花が環境刺激に応答して繰り返し開花する分子機序を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は、花の開花が水の力を利用する仕組みを初めて明らかにしたものである。さらに、花は繁殖に適した環境でのみ花びらを開かせるシステムを有するという植物の巧みな生存戦略の可能性を示す重要な知見になることが期待される。さらに、本成果を発展させることで、花の開花を制御する新たな技術の開発に繋がることが期待できる。
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