研究課題/領域番号 |
19K06039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 東海大学 (2020-2022) 新潟大学 (2019) |
研究代表者 |
高橋 秀行 東海大学, 農学部, 准教授 (00455247)
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研究分担者 |
伊藤 紀美子 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10281007)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 花卉 / 休眠 / オイルボディ / リンドウ / ストレス耐性 / 萌芽 |
研究開始時の研究の概要 |
植物において、脂質を貯蔵するオイルボディの機能には不明な点が多い。本課題では、多年生植物であるリンドウを用いて、植物のレジリエンス獲得におけるオイルボディの役割を、関連蛋白質の機能同定と、脂質を源とするエネルギー代謝調節の観点から解明する。さらに、冬芽の休眠から萌芽に至る過程におけるオイルボディの役割を解明し、レジリエンスを加味した新たな休眠調節モデルを構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
多年生植物の休眠と脂質貯蔵器官であるオイルボディとの関与が見出されている.本研究ではリンドウのオイルボディ関連遺伝子GtOBAP1の機能解析からオイルボディを介した休眠調節機構の解明を目指した.GtOBAP1変異体(obap1)の解析から,1)obap1では低温ストレス解除後の成長回復が抑制されること,2)野生型ではオイルボディに蓄積したトリアシルグリセロール(TAG)は低温ストレス解除で減少したが,obap1では蓄積したままであることが明らかとなった.即ち,GtOBAP1はTAG分解に関与しており,TAG由来のエネルギーが低温ストレスからの成長回復や冬芽の萌芽に用いられることが推測された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物におけるオイルボディの機能は大部分が未知であるが,本研究により成長回復や冬芽の萌芽に寄与する可能性が見出された.また,植物のストレス耐性がストレスで誘導される「抵抗力」と被ストレス状態から回復する「レジリエンス」の2段階で構成され,植物が安定したレジリエンスを得るためにオイルボディが中心的な役割を果たす可能性を示した.本成果は,植物のストレス耐性研究に新たな概念をもたらし,耐性強化育種に向けた新たなストラテジーとなることが期待できる.また,TAGは動植物共通の貯蔵脂質であることから,藻類のオイル産生や,動物のストレスレジリエンス等の研究への波及が期待できる.
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